『七人の侍』以来、人気を集める7にまつわる作品
過去をさかのぼれば、“7人”がつく作品は多い。最も有名なのは、昭和29年公開の巨匠・黒澤明監督『七人の侍』だろう。この金字塔的作品があるからこそ、“7人モノ”の系譜が紡がれているといっても過言ではない。
「『七人の秘書』『刑事7人』のようにタイトルに7人が入るとイメージがわきやすい。年配の人でも7人のチームで何かひとつのことをやるのだな、とタイトルから理解できる」
'80年代には『男女7人夏物語』、『男女7人秋物語』(ともにTBS系)、'90年代は映画『七人のおたく』、つい最近でも『勇者ヨシヒコと導かれし七人』など、7人モノは時代が変わっても人気を呼ぶケースが目立つ。映像作品以外でも、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』など、“7人”に話題作は多い。
また、タイトルに7人こそ含まれていないが、『ショムニ』(フジテレビ系)の第1シリーズも総務部庶務二課の登場人物は7人。さらに、白雪姫のこびとは7人、映画『アベンジャーズ』(2012年)も主要キャラが7人というように、国外でも7にまつわる作品は少なくない。
認知心理学の世界では、「7±2」をマジカルナンバーと呼ぶそうだ。人間が一度に知覚できる情報の最大数は5~9の間と言われ、多すぎると情報処理ができなくなるという。同じ画面に7人が活躍する姿に手に汗を握るのは、そんな人間の脳の仕組みも関係しているのかもしれない。
「日本では七草、七福神というように、七にゆかりのあるものが多く、ポジティブなイメージがある。一方で、海外では古代ギリシャの人たちが正七角形の作図を示せなかったことから、ミステリアスな数字としてとらえられています。しかしラッキーセブンという言葉もあるように、さまざまな側面を持つ数字だからこそ惹きつけられるのでは」
7人というタイトルから金脈を掘り当てたテレビ朝日。今後は、他局でも7にまつわるドラマが増えるかもしれない。
《取材・文/我妻アヅ子》