テレビに舞台、SNSなど、2020 年もいろんな挑戦を続けてきた稲垣吾郎。朝ドラからスタートし、“充実した1年だった”と振り返るゴロさんに、話を聞きました!

来年もぜひ、舞台で
みなさんにお会いできれば

――今年はどんな年でしたか?

僕にとっては'89年のNHK連続テレビ小説『青春家族』が役者としてのスタート。今年は約30年ぶりに“朝ドラ”の『スカーレット』から始まった年で、とても充実した1年でした。新型コロナで制約はあったけど、世界のみんながそうだったでしょう。でも、そんな中でもいい時間を過ごせました」

――MCのお仕事が増えました。

「何十年も芸能界でやってきたけど、とても新鮮な体験です。グループ時代はあまりやっていなかったから。ゲストにじっくりとお話をうかがう“聞き手”は自分に合っていると思います。ラジオ番組のパーソナリティーはまさにそうだし、週刊誌で作家さんと対談する連載もあった。自分が興味のある方にお会いできるお仕事は本当に楽しいですよね」

――印象に残っているのは?

「映画監督の三島有紀子さんとラジオ番組で再会できたこと。この夏、朗読劇で演出していただいたけど、あの朗読劇は俳優としての自分に何か変化をもたらしてくれるもののような予感がありました。今年はタランティーノ監督や黒沢清監督、たくさんの監督にお会いできました。自分が見てきた大好きな監督にお会いできて本当にうれしかったな」

――再々演の『No.9―不滅の旋律―』も楽しみです。

「『第九』はベートーヴェンの集大成。困難や暗闇、葛藤がある中で暗闇から歓喜へ向かう曲だから、まさにこの時代に求められている作品。今年が生誕250周年というのも不思議ですよね。世界がベートーヴェンを必要としている。こういうときだからこそ、この歌が力を与えてくれると思っています」

――稲垣さんにとって、俳優の面白さとは?

「僕はベートーヴェンのように情熱的にはなれないけど、役柄が自分とリンクしないから面白いのかな。全く違うキャラクターを演じることで逆に自分が見えてくる。自分と違う人生、自分じゃ経験できない人生だからこそ面白い。舞台では自分のストッパーをはずすことができるから、ストレス解消にもなります(笑)。やっぱり俳優の仕事って面白いですよね。2021年もぜひ、舞台でみなさんにお会いできればと思っています」