「機械が苦手。スマートフォンが流行り始めていた当時、彼は疎かった。私が“絵を描くならフォトショップを使ったほうがいいよ”とすすめてようやく文明に触れだした印象です(笑)」(梅沢さん)
嵐がメインパーソナリティーを務めた'12年の『24時間テレビ』では、画家の奈良美智さんとコラボしてチャリティーTシャツをデザインした。奈良さんは大野に素朴さを感じたという。
「世間ではスターと呼ばれる地位にいるのに、飾りがなく、美術学校の後輩のように思えて親近感を持ちました。実は、以前から彼の部屋で一緒にオリジナルバッジを作ったりして遊んでいたので、美術学校の課題をやる感じでした。ただ、2人ともなぜか、最初からTシャツに“双葉”のイメージを持っていて、お互いのアイデアスケッチを見せ合ったときにびっくりしました」
“課題”を通じてより距離が縮まったのだろう。
あるとき、大野からこんなサービスが。
「嵐のライブの後、一緒にカラオケに行ったとき、“ライブでデビュー曲やらなかったね”と言ったら、彼が『A・RA・SHI』を歌ってくれました。うれしかったけど、世界中の大野、嵐ファンに申し訳なくなってしまいました」(奈良さん)
あらゆる分野で才能を見せグループの躍進につなげた大野。対照的に、ひとつの分野を極めたメンバーもいて──。
大野の主な仕事(デビュー~'10年)
'02年……舞台『青木さん家の奥さん』で主演を務める
'04年……ソロコンサート『Extra Storm in Winter '06 “2006×お年玉/嵐=3104円(サトシ)”』を開催
'08年……表参道ヒルズで個展『FREESTYLE』を開催。プライベートで制作した絵やフィギュア、オブジェなどが展示された、ドラマ『魔王』で初主演を務める。優しさを見せながらも、復讐に燃える冷酷な弁護士役を演じた
'10年……ドラマ『怪物くん』で主演を務める。プライドが高く、頑固でわがままな主人公“怪物くん”を演じた