「俺ってこんなに嫌われてたんや」
原田 直後は精神的に大変だけど、時間がたつにつれて“ずっと同じところにいるわけにはいかない”と思えてくるよね。
木下 はい。今はどんな状況でも、いろいろな経験や人との出会いを積み重ねて、ネガティブな考えを徐々に塗り替えている最中ですね。今日の対談はまさにそれです。自分でも動かなアカンと思って、3月からYouTubeも始めたんです。
原田 そうなんだ!
木下 自分としては、打席に立たずに消えてしまうのが怖かったし、次のステップへのアイドリングのつもりで始めました。そしたら、初投稿の動画に38万人が低評価をつけたんですよ。動画のコメント欄も批判的なものばかりで、めちゃくちゃ叩かれました。
今までは目にしてこなかった声が可視化されて、「俺ってこんなに嫌われてたんや」ってショックを受けちゃって、さらに沈みました……。
原田 そっか……。でも、最近よく“叩く”という言葉を耳にするけど、そんなに周りの声って気にしなきゃいけないのかな? 僕は、神様や仏様にいわれたら「仰るとおりです!」と頭を下げるけど、どこの誰かわからないやつに叩かれてもびくともしないんですよね。
木下 びくともですか!?
原田 しない。この前もネットで殺害予告のようなコメントを見かけたけど「上等だよ」と思った。だって、家の中でポチポチ悪口書いてるやつの言葉に、一喜一憂するのも悔しいじゃない?
木下 すげー! 原田さんくらい腹がくくれる人は少数派ですよね。
原田 でも、こう思えるのは守るべき家族がいるからなんだよね。もしも僕がひとりだったら道をはずれてしまう可能性もあったと思うけど、今は叩かれてグラッときたら、家族を守れなくなっちゃう。
木下 原田さんが僕と圧倒的に違うのは、過去に離婚していないことですよね。ちなみに、スキャンダル発覚後のご家族の反応はどうでしたか?
原田 みんな普通に接してくれたんだよね。
木下 それも優しい! それはきっと、今まで原田さんがしっかりご家族と向き合ってきた結果があらわれたんやと思います。
僕は、初めのころは動画の批判コメントにいちいち傷ついてたんですよ。でも、徐々に「こんなん気にせんでもええわ」と思えるようになってくると、離れて暮らしている20歳の娘がこの書き込みを見たらツラいんじゃないか、という心配がふくらんできたんです。なので「パパは今の状況を“芸人的においしい”と思ってるんやけど……」と、娘に伝えたら、娘も僕の動画に低評価のボタンを押してたそうです(笑)。
原田 アハハ! そもそも、高評価と低評価の2つしかボタンがないのがおかしいよね。5段階くらい分かれてたら参考になるのに。
木下 そこですか!? でもたしかに、まあまあ悪い、そこそこ、とかのボタンもほしいなあ。