芸能界の“息子”が証言 森田健作(千葉県知事・俳優)

「『健作と私は似ているところがある』と可愛がってくれた」

 先生(蝶々さんのこと)との思い出は、語りだしたら止まらないですよ。最初にお会いしたのは19歳のデビューしたてのころで、親子の役をやらせていただいたのが、お付き合いの始まりです。

 うちの母親と同じ年だったんですよ。芸能界のお母さんとして、芸事もいろいろ学ばせていただいたし、公私ともにお世話になりました。ハワイやロサンゼルスなど、何度も一緒に旅行に行きましたよ。先生のご自宅には、私の部屋みたいになってしまった客間もあったほどです。

 子どもが生まれた際には、名付け親をお願いしました。私が目をケガしたときに、とても心配してくださいましてね。「私が手を引いてやるからな。でも、どっちが先に手を引かれるようになるかな」なんて、冗談まじりにおっしゃっていました。

 先生は“義理と人情”の人。僕もそれを信念として生きてきたから、性格や考え方が『似ている』と、可愛がってくれたんでしょうね。

 私が衆議院議員だったころお亡くなりになる前に病院にお見舞いに行ったんですよ。しゃべることが少しつらそうだったけど、普段と変わらなかった。“じゃあね”って、手を振ってる姿が最後になってしまいました。今でも思い出しますよ。