法令遵守の“再徹底”
東さんも熊本県へ問い合わせを入れたそうだが、回答の文面には、「法遵守の再徹底」と書かれていたという。
「“再”というのは、もうパンくんのときのような事故を起こさないようにという意味。こちらも確認したのですが、自転車の撮影では届けが出ていませんでした。カドリー・ドミニオン側は撮影が1時間未満だったと言ったそうですが、番組を見る限り、補助輪を外したり付けたりしていますから、とても1時間未満とは思えません。むしろ長時間の撮影はかわいそうだなと思いました。保健所は、今後撮影する際には必ず事前に相談するようにと指導したとのことです」(東さん)
チンパンジーの扱い方、及び今回の指導について日本テレビと阿蘇カドリー・ドミニオンはどのように考えているのか。双方に同時に問い合わせたところ、その翌日、日本テレビからは次のような回答があった。
「カドリー・ドミニオンからは、昨日(指導が入ったことについての)報告を受けました。今後も引き続き、動物の安全や健康に配慮しながら番組制作をしてまいります」
熊本県による指導が入ったのは、前述のとおり昨年末の12月16日。週刊女性PRIMEが問い合わせをしたのは1月上旬である。自治体から注意が入るほどの問題について、番組を放送する日本テレビは把握しておらず、さらには阿蘇カドリー・ドミニオンも半月以上も報告していなかったことになる。日本テレビと一緒に問い合わせた同園からは、期日までに回答がくることはなかった。
専門家らが指摘するように、チンパンジー自身は好き好んで芸をテレビで見せているわけではなく、さらには危険にさらされるようなシーンもあった。それにもかかわらず問題をすぐに共有したり、中止することも含めて議論がされることもなかったのだ。
今後の撮影が本当に“動物の安全や健康に配慮”して行われるのか……非常に疑問と言わざるを得ないだろう。
*記事内に「'19年3月に亡くなった志村けんさんが」「'19年10月に始まった相葉雅紀がMCを担当する」とありましたが、正しくは「'20年3月に亡くなった志村けんさんが」「'20年10月に始まった相葉雅紀がMCを担当する」でした。訂正して、お詫び申し上げます(2021年1月11日10時10分修正)。