ストレスを抱え、精神的に不安定だった
公私にわたり充実して努力家に見える医師だが、4つの“問題”を抱えていた。
下野市の自宅マンションの住人が語る。
「このマンションはペット禁止なので、鈴木さんが飼っているチワワは問題になっていました。それがストレスになり、引っ越す原因になったのかも」(1)
夫との不仲を指摘する関係者もいる。
「数年前は、パートナーとは別居していたはずです。最近、目撃されている男性は、夫とは別人かもしれません」
その後、ヨリを戻したとしても、不安定な関係が続いていた可能性はある。(2)
さらに、メンタルヘルスに関わっている本人はひた隠しにしていたようだが、精神的に不安定だったそう。
「感情の起伏が激しい傾向がありました。調子が悪いときには多くの迷惑電話やメールが送られてくることもあれば、仕事を何か月も休むこともありました」(別の関係者)(3)
容疑者のフェイスブックでも’18年10月に、《諸事情により、ここ5か月間ほぼ冬眠状態でした》との投稿が。
ほかにも、容疑者は産業医としての職務から従業員の愚痴を聞くことも多く、企業との板挟みになり、過大なストレスを抱えていたという。(4)
「そんなトラブルなどが引き金となり、衝動的な行動をとったのかもしれません」
と解説するのは、新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)。
「今回は、殺人やその隠蔽、保険金詐欺や愉快犯のような一般的な放火とは異なります。
お金儲けや勉強が大胆にできる反面、落ち込むときは人生が終わったような感情に苛まれるパーソナリティーにそもそも原因があったと思われます」(碓井教授)
容疑者の友人は「彼女には手に入れたいものがたくさんありました」と嘆息したが、今回の放火でそのほとんどを失うことになりそうだ。