ニュースを邪魔しないスタイル
「恵さんって、好きでもないけど、嫌いでもないという人が多い。いつもニコニコしていて、自己主張も強すぎない。番組自体、討論したり荒れたりしないので、“ながら見”に最適なんでしょう。恵さんの所属事務所・ワタナベエンターテインメントのカラーというか、所属のタレントさんには、そういう方が多いんです。例えば中山秀征さんとかビビる大木さんとか」
そう話すのはコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さん。意見をズバズバいう他番組のMCと比べ、恵の発言は何となくパッとしないが……。
「坂上さんみたいな人がいいという人もいれば、苦手な人もいる。MCが自分を出しすぎてしまうと、それが視聴者にとって邪魔になる場合もあるので、そう考えると恵さんみたいなMCも悪いばかりじゃない。
番組側としても扱いやすいですし、『バイキング』のように必要以上に怒りを煽ったりもしないので、討論がうるさいと感じる人、ニュースさえ見られればいいという人にとっては十分ですよね」(木村さん、以下同)
だが、MCがニュースを淡々と進めていく意味では、同じ10時25分から始まる『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)も同じ気がする。
「テレビ朝日は、途中『徹子の部屋』や『おしゃべりクッキング』、昼ドラが入ってきて、興味のない人がチャンネルを変えてしまう時期がありました。でも、『ひるおび!』はずっと同じトーンなので、つけっ放しでニュースを見ていたい人や、逆に見てるか見てないかわからないくらいにダラダラ見るのには、ちょうどいいんです」
木村さん曰く、『ひるおび!』の需要は高齢者層。それゆえに作りも昭和的だという。
「視聴率トップとはいえ、見ている人は高齢者が多い。同時間の『バイキング』や『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)と比べて、ちょっと地味なイメージがありますよね。コメンテーターの面々を見てもそう。作り方も、わざとアナログっぽく、昭和っぽく作られている。
『ひるおび!』がこれだけ成長していったのには、恵さんのMCスタイルによるところも大きい。恵さん自身ではなく、あくまでも恵さんの司会に需要がある。ニュースを邪魔しないスタイル。恵さんの場合、主役はニュースであり、見てくれている人なので」