「(飯塚被告に)期待はしませんが、この現実は知ってください。本当に……」
妻・真菜さん(享年31)と長女・莉子ちゃん(享年3)を失った無念を公判後にそう語ったのは、松永拓也さん(34)。
2月1日、11人の死傷者を出した“上級国民”こと、飯塚幸三被告(89)による池袋暴走事故の5回目の裁判が開かれた。
遺族の松永さんは前回の裁判で、被告に民事訴訟を起こしていることを公表。今回も犯罪被害者となった従業員の特別休暇を企業に義務付ける要望を出すなど、悲しみをこらえながら妻子の無念を晴らそうとしている。
前回に続いて、警視庁交通課の交通事故専門官が検察側の証人として出廷。
大破した被告の車からコンピューターなどを取り出して、分析した鑑定書などの証言だった。
場内のモニターに映し出された写真や資料12点を指し示しながら、およそ2時間にわたる事故の詳細な解析結果を説明。そうした結果、
「車輌(しゃりょう)に異常があると、暴走できない。今回、故障はなかった」
と結論づけた。さらに、
「(事故の)原因は、アクセルとブレーキの踏み間違い」
とも断言。
そうした証人尋問の間、車イスの飯塚被告は週刊女性が報じてきたように、法廷内で首をすくめて、うたた寝のような姿勢を決め込んでいたのだろうか――。