15%超えした大河ドラマは?

 まずは2014年に放送されたV6のメンバー岡田准一が主演する大河ドラマ『軍師官兵衛』(平均視聴率15.8%)。

「主人公・黒田官兵衛に対する岡田君の気合がすさまじかった。1年に及ぶ幽閉シーンでは、蓬髪に髭もボウボウ。皮膚病に侵され五体も満足に動かすことができない迫真の演技には、ここまでやるのかと胸打たれました。

 でも、黒田官兵衛は決して知名度が高いわけではありません。歴史ファン以外には受け入れられにくかったのでしょう

 また、「恋愛や家族パートはいらない」「もっと合戦を見せてほしい」「いろんな手柄がすべて官兵衛の手柄って本当なの?」といった声も放送当時に上がっていた。

「いろいろな声はありましたが、この作品をきっかけに岡田君は馬術や剣術にも磨きをかけ、後に映画『関ヶ原』『散り椿』で日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を受賞。数字はとれなかったけど、彼にはプラスになった作品ということが救いですね(笑)」

 そして忘れてはならないのが2016年に放送された『真田丸』(平均視聴率16.6%)。

本能寺の変や関ヶ原の戦いなど真田家が関わっていない出来事は“ナレ死”ですませるなど、話題を呼んだヒットワードも満載。三谷幸喜脚本による新しい大河ならではの面白さがちりばめられていました」

 “ナレ死”とはナレーションだけで歴史上の大きなターニングポイントをすませてしまう演出。そこに物足りなさを感じた視聴者も多かった。

 そしてランキング外だが18位に入った、2010年に福山雅治主演で放送された『龍馬伝』(平均視聴率18.7%)

「当時人気の頂点にいた福山が、憧れのヒーロー坂本龍馬を演じるとあって始まる前から大河ファンもヒートアップ。フィルム調の画質をはじめ、映像も攻めていました。このとき、岡田以蔵役で出演していた佐藤健が『龍馬伝』の大友啓史監督と組んでスタートするのが『るろうに剣心』シリーズ。今をときめく佐藤健の出世作でもあります」

 平均視聴率15%でも“コケた”枠に入ってしまう大河。だが、それぞれの作品がファンの心をつかむ歴史ドラマの魅力にあふれているのだ。