ソロデビュー35周年を迎えて

 復帰後はマイペースに活動をしていたものの、'14年に母親が骨折したことで寝たきりに。突如、介護と仕事を両立せざるえない状況になる。

「最初は目の前にある問題をクリアしていくことで精いっぱいで、あっという間に2年がたったという感じでした。私が介護を始めた当時は介護をしていることについて公表しづらい風潮があり、手探り状態でやっていたのですが、気持ちを整理する意味も含めてブログで告白したんです」

 介護への悩みや本音を綴った投稿には大きな反響があり、現在は講演会を行うまでに。

「介護に関する知識レベルも高くなかったし、人前で何時間も話すのは無理! と思ったのですが、経験を話すだけでいいと言われて、やってみることに。例えば、認知症サポーターは自治体が行っている養成講座を受講するだけで誰でもなれるんです。そうした意外と知られていない情報を伝えることで、少しでも役に立てればうれしいですね

 昨年はデビュー35周年の記念ライブを行う予定だったというが、新型コロナウイルスの影響で開催を断念。

今年はソロデビュー35周年なので、その名目で開催を考えています。実は今年から人生初のボイストレーニングも始めたんですよ! 知り合いの方に頼んで新曲も作っていただく予定ですが、まずはコロナが終息しないことには……」

 改めておニャン子クラブの存在について聞くと、こんな回答が。

「当時からおニャン子の看板を背負わされていた部分もあったし、その肩書があることで苦労することが多かったです。でも私にそれを跳ね返せる実力がなかったからしかたないですよね。今でも活躍するメンバーは、元おニャン子とは言われないわけですから」

 苦労した彼女だからこそ、笑ってこう続ける。

「人生あっという間だし、つらいことがあっても最後は前を向いて進むしかないんですよ。今後は介護に関する講演会などを通じて、社会貢献やみなさんと触れ合っていければと思っています」