出川や江頭にみる好感度の変化
抱かれたくない男。そう呼ばれる存在がいつの世にもいる。
そのなかにはタモリのように、好感度を上げて長年「お昼の顔」として親しまれた人も。最近だと、出川哲朗や江頭2:50も昔とはずいぶんイメージが変わった。
まず、出川はリアクション芸人としていじられるだけでなく、冠番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)を持つまでに飛躍。いまや老若男女に愛されるタレントだ。
その転機といえるのが、2011年から3年間、MCを務めた子ども番組『大!天才てれびくん』(NHK Eテレ)。10代前半だった岡田結実らを相手に、それまでほとんどやっていなかった仕切り役をこなした。おかげで、いじることもできるようになっただけでなく、この世代の子どもたちから絶大な親近感を得ることに。その数年後、大ブレイクを果たすわけだ。
一方、江頭については、芸の幅が広がったわけではない。むしろ、最近はユーチューブなどでもそのハイテンション芸を披露し、その持ち味を職人的に極めようとしている印象だ。
そのかたわら、ボランティア活動で話題に。きっかけは、10年前の東日本大震災だ。正体を明かさないまま、トラックで飲料水や紙おむつを被災地に運ぶ姿が「発見」され、ネットで「実はいい人」説が広まった。これについて本人が、
「いや、違うんだよ。ほかの芸能人はお金をものすごい金額で寄付してるじゃない。俺はお金ないからさ、身体で払ってきただけなんだよ」
と語ったことで、ますます好感度がアップしたわけだ。
逆にあの震災で、ちょっとたたかれたのがトータス松本。ACが制作した『日本の力を、信じてる。』というCMに出演した際、シャツのボタンをふたつはずしていたことなどが偉そうだと言われてしまった。
実はこの人、テレビ運がないというか、19年前の初主演ドラマ『ギンザの恋』(日本テレビ系)では数字がとれず、全10回の予定が7回で打ち切りに。
現在放送中の『おちょやん』(NHK総合など)でもヒロインの父という本来おいしい役なのに「朝ドラ史上最悪の毒親」と呼ばれ、視聴者からかなり嫌われている。本人も1月29日放送の『あさイチ』(NHK総合)で、
「テルヲ出てくんなって言われたらわかるんですけど、トータス出てくんなって言われるとへこむんですよね。俺じゃないねんけどって」
と、こぼしていたほどだ。
話を「抱かれたくない男」に戻すと、今まさにそういう存在なのがクロちゃんだろう。ただ、この人の場合は今後、好感度が上がる状況が想像できない。というか、キモくないクロちゃんは芸能界にいられないような気さえするのだ。
人気とはまた別モノという意味で、好感度は謎が深い。だからこそ、芸能人はそこに翻弄されるのである。