翌2020年、『KANZAI BOYA』が新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、当初予定されていた5月5日から約1か月遅れでリリースされ、同時に『ENDRECHERI』の新アルバムも発売。またソロとして9月、10月に初のライブ配信も行った剛。
キンキとしても通常のレギュラー番組に加えて、5月にはジャニーズによる社会貢献や支援活動を目的とした『Smile Up! Project』プロジェクトに参加。12月には4年ぶり、16作目のアルバム『O album』をリリースすると、この宣伝活動の一環として、12月22日発売の『週刊朝日』1月1日、8日合併号で2人は表紙を飾り、独占インタビューに応じたのだがーー。
僕が影響されることはない
インタビュアーから「ジャニーズ事務所のなかで新しい人生を選択する人も多い」と、退所者が続いている現状を聞かれた剛。彼の受け答えは以下の通り。
《無責任かもしれないけれど「そうか」ぐらいにしか受け止めていないです。その人の人生を第三者がどうこう言う次元の話ではないですし、僕が影響されることはない》
彼ら“退所組”を静観しているといい、なおかつ“つられて出ていくことはない”とまるで“残留宣言”のようだった。続けて、
《自分には自分にしかない人生がある。出会った人たちとこれから出会う人たちとの一回限りの人生をいかに優しく、強く生きていくかだけです》
どこか吹っ切れたような、迷いから解放されたようにも思えた剛だった。レコード会社幹部は「ジャニーさんという“人生の一部”が欠けて、確かに進退を悩み心揺れていたのかもしれません」として、
「ですが、2020年に状況は大きく変わりました。新型コロナで世間は自粛ムードが高まり、コンサートをはじめとしたエンターテイメントの存在意義までもが問われ始めました。彼もまた、自粛生活を送る中で改めて冷静になって物事を考えてきたのかもしれません。
そんな最中でも支えてくれる、彼の、キンキの、ジャニーズのファンがいること、今まで音楽活動が当然のようにできる環境が整えられていたことをありがたく感じたのでしょう。そもそも、彼のソロプロジェクトは“もっと自分の音楽を表現したい”と悩んでいた時に、ジャニーさんが“自己プロデュースやっちゃいなよ”と、キンキの活動と並行できるようにと勧めたもの。ジャニーズという“母体”があってこそですよ」
新アルバム内の楽曲の一つに『新しい時代』という楽曲がある。これは剛自ら作詞を申し出た作品だという。
《新しい時代が始まる このいまが寂しい でも孤独を越えて また会えるその日へ 抱き合えるその日へ 繋げよう 僕らのいま》
キンキに再び会える日を待つファン、また天国のジャニーさんに向けた歌詞だろうか。