口の堅い森田剛と宮沢りえを前に
グループは解散し、メンバーのうち3人が退所し木村拓哉と中居正広だけが事務所に残ることになった。その経緯のなかで、木村は世間から激しいバッシングを受けることになったのだった。このときの報道は、妻・工藤静香が「事務所に残るように」と進言していたという、“軍師静香”説がその多くを占めていたからだ。
「たとえ事実であったとしても、それが世に出るまでの間に少しづつ尾ひれがついていった感は否めません。自身も長く芸能界で生きてきたアラフィフの男が、将来の進路について妻の言いなりになっているとは考えられませんよね。
今回のケースも、周辺取材で出てきた事実が、証言者づたいに大きくなっていったということではないでしょうか。妻が夫の行く末を案じることは当然です。静香さんに関しては未知数な部分も多いですが、りえさんと関わっている人に言わせれば、“そんなことで口を出すタイプじゃない”ですよ」(芸能プロ関係者)
しかし、週刊誌もウソを書いているというわけではない。そこには、話題のトピックを追い求める“媒体の性”がある。今回のV6のケースはSMAPや嵐のそれとは違い、内部のゴタゴタは特になくいわゆる“円満退所”で話が進んでいった。つまり、特に掘り下げるべき内容がなかったのだ。
そこで登場するのが、妻であり、かつ関係者のなかで一番知名度も高く“ヒキのある”宮沢りえ。ニュースにさらに深みはでないものかと各媒体、彼女の周辺を取材することになる。しかし、
「森田さんは昔から無口なことで有名です。一方の宮沢さんも芸能界の人とはあまり交流を持たないし、個人事務所で活動しているので、夫婦事情を知っている人の絶対数がそもそも少ない」(同前)
結果、核心の核心にまではたどり着くことができず、各媒体ともに“妻の宮沢りえの後押しもあった”とするしかなかったのではないか。
改めて考えてみると、妻なのだから後押ししたのは当然であろう。本当のことは夫婦にしかわからない。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。