参加者に直撃すると
「何のことですか?」
警察官がインターホンを押し、ドアをノックしても、うるさすぎて研修医たちは気づく気配がない。
到着して10分以上たってやっと状況を理解したのか、突然音が収まり、5分ほどしてドアが開いた。
近所一帯が緊張した雰囲気に包まれ、15分経過。部屋から出てきた警察官は、
「もう静かになると思います。お酒を飲んで騒いでいました」
とあきれた表情。
窓を開けていた住民たちは不満そうな声を上げたが、ほどなくして騒動は終わった。
それでも朝まで電気は消えず、徹夜の飲み会だった。
医療従事者としてこのような飲み会は適切といえるのか。帰宅中の参加者に直撃したが、
「何のことですか? 臨海病院? 水族館の名前ですか?」
などとごまかした。
ならばと、飲み会の騒動について病院に問い合わせたが、
「勤務時間外のことですので、病院としてお答えすることは控えさせていただきます」
感染リスクを考えれば、勤務時間外だろうと職員を厳しく管理するべきだが……。
「当院では職員に対して、会食の自粛を含め感染予防を実施するよう徹底しています。当院HPに記載している感染情報は、飲食の場が原因ではないと判明しています」
しかし、具体的な根拠は個人情報として明かさなかった。
このようなことが許されるのか? 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は、
「医療者は1年以上、感染のリスクのある中でストレスに晒されています。友達に会えず、旅行も行けず、家族と別居して暮らす人もいる。飲み会も、PCR検査を徹底して、陰性の人だけで行えばリスクは少ないでしょう」
と同情的だ。
ストレスもあるだろうが、医師の自覚が問われる。