今では褒め言葉になりつつある“あざとい”。その力を駆使して飛び抜けていった彼女たちの功績を追ってみました。
あざと-い
1、押しの強い、どぎついやりかた
2、小利口だ
辞書で“あざとい”を引くと出てくる定義だ。
ここ数年“あざとい”が女性への褒め言葉として定着しつつある。その生態を観察する『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)も人気に。女性たちのしたたかでその真っすぐな欲望に世の中も共感するようになってきた。
「今、女子アナの中ではあざとければあざといほど出世していく法則があるといわれているんです」
と語るのは、民放局の元アナウンサー。
はたしてあざといことが出世に関係あるのだろうか! テレビウォッチャーの神無月ららさんと人気女子アナ5人の“あざと力”に迫る。
出世魚・田中みな実
「彼女の“あざとさ”はちょっとほかの女子アナが世間に抱かせるものとは種類が違う」
と神無月さん。
「田中みな実さん(34)は局アナ時代から一貫してぶりっ子キャラでした。
爆笑問題と長年レギュラー司会を務めた『サンデー・ジャポン』(TBS系)にて、爆問からそのぶりっ子をいじられ続ける。CMまたぎにアップになるたびに、顎に手を添えて上目遣いに目をしばたたかせてカメラを見つめる姿はスタジオの爆笑をさらっていました。
世間一般が自分を『ぶりっ子』としてカテゴライズするなら、さらに突き抜けたぶりっ子として商品になってやる。彼女からはそういう気迫と気合を感じました」
TBSを退社してからの快進撃はご存じのとおり。
「田中さんはご自分のことを客観視するのが上手。だから周囲が自分に何を求めているかを察知してそれに応えるんです。だから飽きがこない。もしも飽きられたら、その声に応えてサラッと引退、とかもありえるから目が離せないのです」
女子アナとは比較する次元がもう違う!?
“〇〇パン”の持つ宿命・加藤綾子
かつてフジテレビからエース女子アナウンサーとしての期待を浴びていた千野志麻さん、彼女の名前をもじった深夜の冠番組『チノパン!』はその後も名前を変え続け「次世代のエース女子アナを受け継ぐ者」へとリレーを続けた結果、アヤパン(高島彩)、ミタパン(三田友梨佳)、ショーパン(生野陽子)と、数々のスターを送り出してきた。その中でもエース中のエース、カトパンこと加藤綾子アナ(35)。
アナウンサーデビュー直後の2008年10月から『いいとも』レギュラーや『カトパン!』に抜擢される活躍ぶりは、現在でも順風満帆。
「彼女もやはり女子アナとしての宿命のやっかみを浴びやすいキャラだと思います。
音大卒なのにアナウンサーとして成功を得る、細身の身体のわりに巨乳、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)では、振られればきっちりと男ウケ抜群のモテしぐさを披露する、など、カトパンはわかりやすく同性から嫉妬を受けやすい記号にあふれている。
人気者のさんまさんからの引き立てなど、妬まれ要素は枚挙にいとまがないほど。
だけどそれはカトパンのあざとさ、ではなく生まれ持った魅力からくるもの」
と、神無月さんは加藤アナを評価する。
「局アナ時代からレギュラーを多数抱えつつ、局のここいちばんの大勝負番組である『FNS歌謡祭』などの総合司会も歴任しています。それは彼女の持つ魅力や人気だけではなく、確かなアナウンス技術と現場を即座にまとめる対応力があるから。カトパンのあざとさがどこにあるかと言われたら、嫉妬する要素が満載でも周囲に文句を言わせないほどの実力をつけたこと」