先輩から後輩に渡しておきたいバトンとは?
――開局30周年記念作品でもある本作ですが、中井さんも今年で60歳の節目の年です。
中井 この仕事を始めて何周年とか、年齢が50を越えるとか、節目の年ってあまり興味がなかったんです。でも、還暦って言われ、“ん?”と思う瞬間がちょっとあって。今までは“5年後にはこういう仕事をしたい”というのはあったんです。でも、仕事だけではなく、“自分の人生をどう締めくくっていけばいいか”とか、そういうことも考えなければいけないのかなと60歳を迎えるにあたり、思うようになりました。
――ちなみに、向井さんは来年で40歳に。
中井 まだ40なの!
向井 僕としては“もう”という感じですが(笑)。芝居について、先輩たちから貪欲に吸収しようと思う反面、そろそろ後輩に伝えなければいけないのかなって思うようになってきました。例えば昔、戦争ものをやったとき、役作りのため自衛隊に泊まり込みで所作などを教えてもらったことがあって。そういう経験ってなかなかできないじゃないですか。芝居って生き方みたいなものが反映されると思うし、経験のない後輩にも伝えていきたいと思いますね。
中井 それでいうと、30代前半に『戦艦大和』という作品をやったときに、現場に御年が70くらいの方が4人ほどいたんですが、話を聞いたら撃沈されたときの乗組員だったんです。
向井 すごいですね!
中井 もう“えっ!”ってびっくりして。その方からどんな状況だったのか、などお話を伺ったんですが、そういう経験を向井くんたち後輩に、バトンを渡すように伝えておかないとダメだなと。60歳になるからじゃないけど、そういう焦りも少しあります。
――では、次回共演するならどんな役でご一緒したいですか?
中井 仲のいい役(笑)。
向井 親子じゃないほうがいいかもしれません、関係性が面倒になりそうですし(笑)。
中井 あとは今回、(コロナ禍で)打ち上げもないし、5か月一緒にいてスタッフみんなで食事にも行けなかった。
向井 普通にご飯に行ける時代に戻ってほしいですよね。今度は、いろんなお話ができるといいなと思います。
ここだけの〝華麗なる〟エピソード
向井 ダジャレみたいになっちゃいますが、現場でカレーをたくさん食べました(笑)。
中井 向井くん細いのによく食べるんですよ。何杯食べたっけ?
向井 3杯です。
中井 しかも、1皿が結構な量で。ただ、僕が“よく食べるね〜”とあまりにも言うので、それからは気にしながら食べていたみたいですが。
向井 (笑)。
――中井さんは?
向井 そういえば昔は、打ち上げをハワイでやったりしてたって聞いたことあります。
中井 僕はハワイではやったことないけど、打ち上げの景品もたくさんあったし、ハワイ旅行が当たったりするのもありました。特にバブルのころは、規模が全然違いましたね(笑)。
『連続ドラマW 華麗なる一族』
WOWOWプライムほか
毎週日曜 夜10時〜放送・配信中
原作:山崎豊子『華麗なる一族』(新潮文庫刊)