実際、櫻井翔以降、「ジャニーズJr.黄金期」のメンバーや2000年代のCDデビュー組のなかに大学進学組が目立ち始める。

 2004年には、山下智久が明治大学商学部に入学、08年に卒業した。また、同じNEWSのメンバーとして、2003年にCDデビューした小山慶一郎と加藤シゲアキも大学進学組だ。

 小山慶一郎は、2003年明治大学文学部に入学。2007年の卒業時には、芸能活動と学業の両立が評価され、「模範卒業生」にも選ばれた。彼もまた、櫻井翔と同様、知性派の強みを活かし、『news every.』(日本テレビ系)のキャスターなど報道番組に出演した。

 加藤シゲアキは、2010年に青山学院大学法学部を卒業。その後、『ピンクとグレー』で小説家デビュー。2020年には『オルタネート』で直木賞候補にもなり、大きな話題を呼んだ。執筆活動のほか、情報番組『白熱ライブ ビビット』(TBSテレビ系)ではコメンテーターを務めるなど、小山とともにいまや知性派ジャニーズの代表格である。

 また伊野尾慧も、大卒の経歴を存分に活かしているジャニーズのひとりだ。Hey! Say! JUMPで2007年にCDデビューした伊野尾は、2009年明治大学理工学部建築学科に入学、2013年に卒業した。ジャニーズアイドルでありながら大学で建築を学んだという意外性も相まって、「図面を引けるアイドル」として、世界的建築家・隈研吾と共演するなど建築関連の番組でその姿を目にするようになっている。

 多くなるので全員の名前を挙げることはしないが、ほかにも情報番組『シューイチ』(日本テレビ系)で長年コメンテーターを務めるKAT-TUNの中丸雄一(早稲田大学人間科学部卒)など、2000年代にはジャニーズグループに多くの大学進学組がいるようになった。2010年代以降のCDデビュー組でも、Sexy Zoneの中島健人(明治学院大学社会学部卒)、菊池風磨(慶應義塾大学総合政策学部卒)、マリウス葉(上智大学国際教養学部在学中)など、その傾向は続いている。

ジャニーズ史上初の「院卒」も

 そうしたなか、最近は“新世代”の高学歴ジャニーズも登場しつつある。

 その中心的存在は、2020年にCDデビューを果たしたSnow Manのメンバーである阿部亮平だ。ジャニーズJr.時代、受験のため一時活動を休止。その後2012年に上智大学理工学部に入学し、卒業後大学院に進学した。大学院を修了したのは、ジャニーズ史上初めてのことである。2015年には、難関の気象予報士試験にも合格。こちらもジャニーズ初となる快挙だった。