アリ・セミなどの昆虫を傷つけていたら
「幼い子どもが生き物を殺すことは好奇心であって、普通といっていいでしょう。大人から見たら残酷でかわいそうと思うことでも、まだ知識が芽生えていないうちにそういった経験をして成長していく。目くじらを立てる必要はありません」
ここで気をつけるべきポイントを碓井教授は、
「殺し方を見てください。いつも注意深く見ていれば、子どもの危険な表情を見逃しません。大人が見ても怖いと思うような場合は優しい声かけをしてみてください」
“誰とやっているか”を注視したほうがいいとは渋井さん。
「対等な関係の友達とやっているならば問題ありません。小学生が幼稚園児と、中学生が小学生と、など自分よりも下の子とやっていたら問題です。力を誇示したくてやっている可能性が高いからです」
どのような声かけをすればいいのだろうか。
「頭ごなしに叱ったりするのはやめて、まずは何をしているかを聞かなければいけません。この時点で親子で言い合えるような関係性ならば問題はさほど大きくないです。普段から会話がない関係性の場合、相談機関(※)に連絡したほうがいいでしょう」
哺乳類を傷つけていたら
「哺乳類に残酷なことをするとこれは捨て置けない。全部が危険なわけではありませんが、子どもが何らかのメッセージを発しています。その子自身がいじめられている鬱憤を動物に向けている可能性が高いです。
その際にイライラしながら動物にやつ当たりしているなら“どうしたの?”と聞きながら親も一緒に考える。その場で終わりにすることはせずに、子どものストレスを取り除く解決策を探したほうがいいです」
と、碓井教授。そのときに気をつけるべきポイントがあるという。
「親が子どもを化け物を見るような目で見ては絶対にいけません。子どもは汚らしいものを見る目で自分を見ている、ということを感じ取ります。その場合はエスカレートしていってしまいます。このときの親の反応が非常に大切になってきます」(碓井教授)
子どもがストレスを小動物にぶつけていてもどんと構える覚悟が必要だ。