なんでもBLにしたがる……
吉田さんが3つ目に挙げたのが『あのときキスしておけば』(金曜夜11時15分・テレビ朝日系)。
ポンコツで夢も覇気もなく生きていたスーパーの従業員・桃地のぞむ(松坂桃李)。唯一の趣味が漫画を読むことだったが、ある日その作者・唯月巴(麻生久美子)とお近づきに。いい感じになり始めた矢先に彼女は事故で帰らぬ人となり、涙にくれる桃地の前に現れた見知らぬおっさん・田中マサオ(井浦新)は巴だった!という新手の入れ替わりものならず乗り移りもの!? 脚本は恋愛ドラマの名手で知られる大石静、と話題だったが。
「恋愛ものが見たかったのに制作側が男同士のイチャイチャを見せることに固執しているような気がする。『おっさんずラブ』の成功以降、テレ朝はBL風をやりたがる。
そのせいで桃地(松坂)と巴(麻生)の恋愛がちゃんと描かれてなくて、巴を好きというより漫画家への尊敬の念だけが強くて、おじさんに変わった彼女を愛し続けることへの説得力がない。男と女としての恋をちゃんと描いてほしかった。
主要キャスト3人は本当に上手で好きな俳優さんなので、私の欲しかったドラマではなかったという意味でがっかりですね。結局、巴は初回で死んじゃってるので、2人がハッピーエンドになるという結末ははなから否定されてしまったし」
それでも『あのキス』の見どころはあるという。
「井浦新演じる田中マサオ夫婦(妻役はMEGUMI)の行方や、三浦翔平の振り切った演技など面白い箇所はけっこうあるんですけどね。キャストの期待値が高かっただけにがっかりのほうに入れさせてもらいました」
吉田さんは最後に、
「今まで挙げた3作はがっかりはしたけど最後までは見ているんですよ。だから嫌いなドラマではないんです」
と言う。
「最後まで見られなかったのはもうがっかりというより、個人的な好き嫌いで嫌いな作品ですね」(吉田さん)
として挙げたのが、
『ドラゴン桜』(日曜夜9時・TBS系)と『ネメシス』(日曜夜10時半・日本テレビ系)だ。