生活の“拠点”としてのネットカフェ
キャバクラ嬢のよしみさん(仮名・25)は、鍵付き完全個室のネットカフェに“住んでいる”という。女性専用エリアやパウダールームがあることで、ほかのネットカフェよりも安心だ。
「働いているキャバクラの寮のような扱いです」
以前は、別のキャバクラ店で働いていた。その店の寮はマンションタイプだったが、ほかのキャストと同居生活をしていた。しかし、同居人とトラブルがあり、1人で生活できる寮があるキャバクラを探した。
「ネットカフェが寮と聞いて、最初は疑問でした。以前、家出をしていたときに、ネットカフェを使っていたことがあって、そのときの印象として落ち着かないだろうな、と思っていたんです。でも入ってみると、鍵付きだし、防音。以前よりも快適です。これなら古いアパートよりもいいかもしれないです」
フリーターのしゅんさん(仮名・35)は、VR版のアダルトビデオ(AV)観賞のために完全個室を訪れる。以前からVRゴーグルを身につけてAV観賞を楽しんでいる。
「最近、ハマっているのは、VRのAVを見ながら、援助交際やセフレと性行為することです。
実家ということもあり、部屋には女性を呼べない。ネットカフェに一緒に入って、ゴーグルをつけながらするんです。女優としているような感覚になれますよ(笑)」
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さまざまな用途で使われるネットカフェ。今後もニーズに合わせて、進化していくに違いない。一方で犯罪の温床になっているという指摘もある。実際に事件が起きたとなれば今後規制の強化はやむをえないだろう。
取材・文/渋井哲也