自らの理想を詰め込んだ“ケント様”と恋に落ちる乙女ゲームが異例のヒットとなった、ベンチャー企業の社長・泉美(比嘉愛未)。ある日、ケント様にそっくりな航(渡邊圭祐)と出会うも、中身は残念すぎる男だった……!
外のスピード感に追いつけるように
今回の航役について、「正直、めちゃくちゃびっくりしました。そしてシンプルにうれしかったです。実は企画段階でプロデューサーさんとお会いする機会があったんですが、その後“決まったよ”と聞いて。どんな役かと思ったら、まさか主役のお相手役で。“こんな大きな役だったの? だったらそう言っておいてよ”って感じでした(笑)」
'18年『仮面ライダージオウ』でデビュー。『恋はつづくよどこまでも』('20年)では新人看護師の仁志くん。『MIU404』(同)では特派員REC。前クール『恋はDeepに』では蓮田三兄弟の三男・榮太郎。そして本作では、ヒロインの相手役と作品を重ねるごとに、まるで『わらしべ長者』のように役は大きく。
「確かにそうですね(笑)。3年前に現在の自分を? まったく想像していませんでした。正直、早すぎるなと思います。実績と自分の技術が追いついていないことは、現場でも感じていることなので。外のスピード感に、自分の中のスピード感が追いつけるように頑張らないといけない、と思っています」
航は教養もマナーも生きる気力もなく、無為に時間を過ごしていた。そんな気持ちがわかるかと尋ねると、
「大学のときがいちばん近しい感覚を持っていたかもしれません。将来に対するビジョンをあまり持たず、あんまりよくないんですけど、大学に行かずに昼から友達とお酒を飲んでみたり(笑)。そんな生活をしていましたね。航との決定的な違いは、僕は周りの環境に恵まれていたことですね」
大学の学園祭で裏方をやっていた渡邊は“ミス・ミスターコンテスト”の審査員にスカウトされ、地元・仙台でモデルとして活動を始める。
「就活のタイミングを迎えたとき、スーツを着て毎日、同じ会社に出社する自分が想像できなかった。“自分が今、楽しめていることは何だろう?”と考えたとき、モデルだと思いました」