調査の前に、筆者は何の職業が最も多いのか予想してみました。恐らく、多くの皆さんも「アレじゃない?」と予測されたと思いますが……そう、最も多かったのは「刑事(警察官)」でした。
総数248作品! 民放連ドラの5つに1つは刑事ドラマなんですねぇ。
面白いのは、コレを各局別に分類してみた結果。実に刑事ドラマ全体の約58%にあたる144作品がテレビ朝日系でした。2002年から連ドラとしてスタートした『相棒』(現在シーズン19まで放送)や、2006年からの『警視庁捜査一課9係』(現在は『特捜9』にタイトル変更)、2016年からの『警視庁・捜査一課長』など、人気の安定した長期シリーズがその数を伸ばしているのは言うまでもありません。
“王道の刑事ドラマはテレ朝”というブランドのようになっていると言ってもいいでしょう。
刑事の次に多いのは…
この「刑事(警察官)」に次ぎ、連ドラで多い職業は……意外にも一般企業の会社員なんですねぇ。全部で213作品ありました。局別にみるとTBS系とフジテレビ系が約30%ずつを占めているというのも、どこかイメージ通り。
近年は『着飾る恋には理由があって』(TBS系/2021年)の、インテリアメーカーの広報課でSNSを担当する真柴くるみ(川口春奈)のように、恋愛ドラマの主人公の職業として多い傾向があります。冒頭で「小・中・高生の憧れが会社員という結果に驚き」と記しましたが、この結果を鑑み、あながちナシではないかなという気も。
続いて3番目に多かったのが、医療従事者(医師・看護師)。114作品ありました。『DOCTORS~最強の名医』(2011年~)や、『Doctor-X~外科医・大門未知子』(2012年~)など、シリーズ化作品も多いテレビ朝日系の印象も強い医療ドラマですが、局別に最も多かったのは、フジテレビ系。全体の約32%を占めています。
シリーズ化された『救命病棟24時』(1999~2013年)や、『医龍~Team Medical Dragon』(2006~2014年)、『チームバチスタの栄光』シリーズ(2008~2014年)、『コードブルー~ドクターヘリ緊急救命』(2008~2017年)などなど、このジャンルはフジテレビのお得意ですかね。
以下、駆け足でご紹介していきましょう。
4番目は……教師。全部で81作品です。ここで存在感を発揮していたのはTBS系。全体の約31%を占めています。『3年B組金八先生』(1979~2011年)という、学園ドラマの金字塔を打ち立てた局としての矜持も感じられますね。