上皇ご夫妻が巡られた戦争地へ
『全国豆記者交歓会』の代表で、'63年から計100回以上にわたって上皇ご夫妻と交流してきたという山本和昭さん(91)は、美智子さまの熱心な姿勢をこう振り返る。
「陛下や秋篠宮さまは、小学校に上がる前から戦争に関する教育を受けておられました。上皇ご夫妻はご自身が戦争を体験なさっているため、平和を祈るお気持ちが非常に強く、お子さま方が幼いころから、戦争の悲惨さについて学ぶ機会を設けられていたのです。 陛下がまだ小学生のころ、美智子さまから“ナルちゃんに、沖縄戦を理解するのに適当なご本を紹介いただけませんか”という依頼を受けたこともありました」
未来の皇室を担う子どもたちに早いうちから戦争学習の機会を設けられた美智子さま。その取り組みは世代を超えて受け継がれている。
「両陛下や秋篠宮ご夫妻も、お子さま方が幼いころから戦争に関する教育を始められました。いずれ天皇に即位される悠仁さまは、特に早いうちに始められたと思います。小学1年生のころには、沖縄県の『平和祈念公園』や『平和の礎』などをご訪問。また、上皇ご夫妻が直々に戦争体験をお伝えになることもありました」(宮内庁関係者)
戦争に関わる行事に積極的に参加されてきた秋篠宮さま。'14年には、戦時中に撃沈された学童疎開船『対馬丸』の犠牲者を追悼する集いに、ご一家全員で臨まれた。
「秋篠宮ご夫妻の“夏休みに、戦争に関する勉強をさせたい”というご意向があり、当時小学2年生だった悠仁さまも出席されました。宮邸で事前学習をされていたようで、すでに対馬丸のことをご存じだったことには驚きました。会場に並べられた絵本を熱心にご覧になる悠仁さまに対し、秋篠宮さまが身振り手振りを交えながら懸命に説明されているお姿が印象的でした」(山本さん)
戦地へ出向いて慰霊することを重んじられてきた上皇ご夫妻の姿勢も、悠仁さまに受け継がれているようだ。
「'17年には、悠仁さまが紀子さまとおふたりで小笠原諸島の父島や母島を訪問されました。その際には、上皇ご夫妻がかつて巡られた、銃の攻撃から身を守るために掘る穴である塹壕や軍道などの戦争の痕跡に足を運ばれたのです」(渡邉さん)