「ホームレスの命はどうでもいい」「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思う」メンタリストDaiGoによる差別的発言が物議を醸している。20年以上にわたってホームレスの取材を続けてきたライターの村田らむさんによる寄稿をお届けする。
僕はDaiGo氏の発言以上に彼の意見に賛同し、褒めそやすコメントが多数投稿されているのを見て、ゾクリとした。カルト教団の信者たちを思い出したからだ。
かつて、オウム真理教の後継団体に潜入取材をしていたことがあるのだが、潜入中にひとりの信者が病気で亡くなった。すると、指導者が、
「彼が病気になったのは彼が修行を真面目にしなかったからだ。ああいう人は死んでも仕方がない。教団に入っただけでは救われないよ。もう2度と人間には生まれ変われない。よくて動物だね」
と話し、亡くなった信者を蔑むように笑ったのだ。そして他の信者たちもそれに同調して、ゲラゲラと笑った。
DaiGo氏を擁護する声も
指導者の言葉に同調し、仲間の死すら差別し笑う姿は痛切に恐ろしかった。DaiGo氏の言葉にただ乗っかり、ホームレスを同じ人間として見ていない“彼ら”の言葉に同じ空気を感じた。
しかし、一般社会においてDaiGo氏が発言した内容はさほど珍しいものではない。例えば飲み屋でサラリーマンと話をすれば、
「ホームレスとか一箇所に集めて無理やり労働させればいいんだよ」
「生活保護受給者のほとんどは働く気のないクズ。そういうヤツの子どももクズ。排除したほうがいいよ」
などなど、ホームレスを人とも思わない差別発言をする人はいくらでもいる。
『2ちゃんねる』創設者のひろゆきこと西村博之氏も、
「日本国内で人権軽視されていることがすごく多くあるのに、そのことに関して何もしていない人がDaiGoさんだけ責めてて。DaiGoさん何もしていないじゃないですか、口で言っただけで」
とDaiGo氏を擁護する発言をしている。