8月20日から3日間、新潟県湯沢町で2年ぶりに国内最大級の野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL'21」が開催された。延べ35,499人が参加したという。新型コロナウイルスの感染拡大が取り沙汰されるなか、例年よりも入場者数を制限したなかでのイベントとなった。
最終日から一夜明けた24日、公式サイトに『終了のご報告』と題したコメントを主催者が発表。
《フジロック'21が開催できたことに対し、開催地域のみなさま、出演者、スタッフ、チケットを買ってくださったお客様、関わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。(中略)現在のところ、会期中の会場においては、ひとりの陽性者も確認されていないことを、まずはご報告させていただきます。》
このコメントはさまざまなニュースで特集され、大手ポータルサイトも《FUJIROCK陽性確認なし24日時点》と大々的に取り上げた──。
無料配布された『抗原検査キット』
2年越しに開催された同イベントだが、事前に公式サイト上などで公開された『ガイドライン』には、“今年のフジロックは禁酒”との告知も。会場と、隣接する苗場プリンスホテルにおいて終日アルコール飲料の販売がないことを強調(もちろん持ち込みも不可)し、「マスク飲食」「黙食」といったルールの徹底を促していたという。
参加者によれば、「会場の入口で検温と消毒が行われました。入場リストバンドとは別に『検温済み』のリストバンドも配布され、会場内各所には体温計も設置されていた。コロナの『抗原検査キット』もあり、体調に不安がある人はその場で検査できる」(20代女性)とも。
さらに、参加者に向けての感染対策は、開催の直前からすでに行われていたという。
「8月に入ってから、参加者には新型コロナの『抗原検査キット』を無料で配布するとのメールが届きました。もし陽性の反応が出たら来場の辞退とチケットの払い戻し手続きを行うといったことも書かれていましたね」(参加した40代男性)
しかし、その判断は参加者に委ねられているようで、
「入場の際には陰性証明をする必要がなく、検査自体も“任意”で義務ではありませんでしたね。そこは少し大丈夫かな……とも思いました。また、都内にあるチケットショップには当日ぶんの券も売られていたみたいで、それを購入してやってきたという人もいたとか。彼(彼女)らは事前の検査を受けることは難しかったと思います」(同前)