『きのこの山』がうまいのか、いや『たけのこの里』なのか。俗に『きのこたけのこ戦争』と呼ばれる論争が勃発するほどの銘菓2種。ネットを中心とした“ギャグ”的な論争でもあるのだが、株式会社明治が'01年に“きのこ・たけのこ総選挙”キャンペーンを行うなど、販売元自体も論争に便乗している。この人気商品にこのたび動きが。
『たけのこの里』やっと商標登録!
「8月20日、特許庁が『たけのこの里』を商標登録したことがわかりました。今回は“名称”などの登録ではなく、たけのこ型という“形状”での商標登録が認められました」(社会部記者)
形状の商標登録は、“立体商標登録”と呼ばれる。それはどのようなものか。
「『商標』とは、商品やサービスの出所を表す機能を持つものですが、言葉やマークだけではなく、立体物も商標として機能しえます。典型的な例としては、ケンタッキーの店頭のカーネルサンダース人形などです」
そう話すのは、テックバイザー国際特許商標事務所・代表弁理士の栗原潔さん。形状が商標登録されれば、他社に“パクられる”ことなく、その形を独占的に使用できるため、登録は非常にハードルが高いという。
「商品の形状そのものを立体商標登録できればきわめて強力な権利が得られますので、特許庁の審査も厳しくなっています。カーネルサンダース人形のように“看板”として立体物を使用する場合よりもはるかに厳しいです」(栗原さん、以下同)
今回の明治による『たけのこの里』の立体商標登録出願も、特許庁によって一度登録が拒絶されている(商標法に基づき、出願人に対し特許庁より“拒絶理由”が通達される)。商品が“多少特異な形状であっても”なかなか認められることはない。
「出願には消費者による認知度を立証する必要があります。これには、販売シェア、メディアへの露出、消費者の調査等々を提供する必要があり、大変労力を要する作業となります」