素朴かと思いきや、突然見せる“男”にズブズブ
「八郎さん(松下洸平・34)はすごく素朴で控え目で、おとなしくて。最初のころはヒロインとの距離を守っていて。“付きおうてもない女の人、呼び捨てに出来ひん”と、ヒロインを頑なに“川原さん”と呼び続けるなど、とてもウブな真面目な人だったんですけど」
女性陶芸家・神山清子をモデルとした物語『スカーレット』('19~'20年)。ヒロイン・貴美子を戸田恵梨香が演じ、最高視聴率は22.4%。
「いざ近づいてみると意外と肉食で(笑)。まさにギャップですよね。見ていたみんなは“まさかの?”“びっくり!”という(笑)。SNSには“#八郎沼”なる言葉が誕生し、多くの女性がその沼にハマりました」
八郎さんの影響で、ヒロインも陶芸家の道を歩み始めるとメキメキ才能を発揮。
「八郎さんに嫉妬が生まれ、“穴窯”に取りつかれるヒロインを置いて家を出てしまう。同業夫婦の難しさを描くと同時に、男性の嫉妬や不甲斐なさのようなものも、そのまま見せています。
朝ドラの中で、こういった男性の弱さを真正面から描いた作品ってあまりなかったと思うんです。夫婦としては破綻したけど、新しい家族の形を見せてくれた。そんな描き方を含め、八郎さんの存在はやはり大きいと思います」
自分&自分の大切な人を大事にしてくれる
『あさが来た』白岡新次郎(玉木宏)
「『あさが来た』だとたぶん、五代様(ディーン・フジオカ)っていう人も多いと思うんですが、やっぱり新次郎さん(玉木宏・41)の献身ぶりにはグッとくるな、と。ぐいぐい引っ張ってくれる人ではないけど、いつでも助けてくれる人」
'15~'16年放送の『あさが来た』は企業経営者として、銀行や生命保険会社、そして日本初の女子大学を作った広岡浅子がモデル。ヒロイン・あさを波瑠が好演した。最高視聴率は27.2%。
「新次郎さんは年齢差のある許嫁で、まだ子どもだったヒロインが押し入れに立てこもったところ“ゆっくり大人になるまで考えればいい”とそろばん……“パチパチはん”をくれるところも素敵。
大人になったヒロインは気が強くて、行動力もあり、暴走しがち。反抗的な炭鉱夫たちがピストルを構えたらおとなしくなったと自慢げに話すと、“力づくで男の真似せんかて、あんたなりのやり方があるのと違いますか? あんたの武器は、このやらかい大福もちだす”と頬を触る。女性の持つ柔らかさが強みだと教えてくれる人でもあって」
ぼんぼんゆえに新次郎さんは働かず、フラフラしがち。ヒロインが浮気を疑うと
「“今から一緒に会いに行こか”と連れ出された先は、行方不明になっていた姉・はつ(宮崎あおい)の家。ヒロインには何も言わずに探してくれていた。さらには、はつが泣く泣く手放した琴も探し回って買い戻してくれて。
自分自身に何かをしてくれること以上に、自分が大事にしている人やもののために献身的に動いてくれる。そこにグッときた人、多いんじゃないかなと思います。
自分のやりたいことを応援してくれて、何も言わずに助けてくれる。まさに名サポーター。当然“新次郎さんみたいな夫が欲しい”ってなりますよね(笑)」
あなたのお気に入りの朝ドラ男子、出てきましたか?