フィギュアスケートの紀平梨花選手が、北京五輪のテスト大会『アジアンオープントロフィー』に出場する。
「10月13日から行われる国際大会で、昨シーズンの世界選手権で2位となった鍵山優真など、注目の選手が出場します。'22年の北京五輪と同じ会場で行われる試合なので、注目が集まっています」(スポーツ紙記者)
この大会に向けて練習に励む紀平が、今季から練習拠点としたのは、カナダの『クリケットクラブ』だ。
「練習拠点をこれまでのスイスからカナダのトロントに移し、ブライアン・オーサー氏に師事することが、9月8日に発表されました。オーサー氏は、羽生結弦選手も師事する、ジャンプの指導に定評がある名コーチ。紀平選手はすでにカナダに渡航して練習を始めています」(同・スポーツ紙記者)
地元の“羽生結弦愛”
しかし、羽生は今季もカナダに行かず、日本での練習を続けている。
「昨シーズンはコロナ禍で渡航できず、ひとりで練習することを余儀なくされていました。今シーズンは、日本でも緊急事態宣言は全面解除となり、ワクチン接種などの条件はありますが、カナダへの渡航制限も緩和されつつあるので、戻ることもできるはず。コーチのオーサー氏も、羽生選手に直接教えたいという思いがあるようですが……」(同・スポーツ紙記者)
それでもカナダに行かないのはなぜか。
「羽生選手は、今季で4回転半ジャンプを完成させるという思いがすごく強い。練習にも普段以上に熱が入っています。ひとりでの練習を続けているのは、4回転半を含めた、フリープログラムの『天と地と』を完成させるための、覚悟の表れかもしれません」(フィギュア関係者)
小学2年生から4年生までの間、羽生を指導していた都築章一郎コーチは、羽生の練習についてこう分析する。
「ひとりのほうが効果的な練習ができると自分自身で考えて、判断しているのでしょう。創作意欲を高めることや、振り付けを効果的に練習する目的があるのではないかと思います」
日本での練習は、コーチだけでなくほかの選手もいない環境だ。
「そのぶんリンクの面積を自由に使えますから、自分の想像したとおりの練習ができるんです。特に、プログラムをつくったり、プログラムで滑ったりするときには、そういう環境がベターなことは確かです」(都築コーチ)
そんな羽生に、地元の宮城県からも後押しが。色の異なる複数の種類の稲を植えて絵を描く“田んぼアート”で羽生を描いているのだ。『田んぼアートを楽しむ会』事務局に話を聞くと、地元の“羽生愛”が感じられた。
「羽生選手は宮城県出身の世界的大スターですし、地元みんながファン。昨年は『田んぼアート』自体がコロナで中止になってしまいましたが、'19年に羽生選手を描いたとき、3・5万人にご来場いただいて、“また見たい”という声がたくさん寄せられたんです。それで、今年も羽生選手を描くことになりました。日本スケート連盟からは“本人も快諾しております”と聞いております」
羽生の姿に地域を重ね合わせているそう。
「ケガをしても復活して活躍する姿に“地域再生”の願いを込める意味もあります。今年も大反響で、羽生選手のファンもたくさん見に来てくださっています」(事務局)
孤高に練習を続ける羽生。地元の応援を受けて悲願の達成なるか─。