来年1月からの放送スタートに向け、着々と準備が進んでいる2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。主人公は鎌倉幕府の開祖・源頼朝亡き後、幕府の実権を握り、その後数百年にわたって続く“武士の世”の礎を作り上げた“ダーク・ヒーロー”北条義時だ。大河初主演となる小栗旬が扮する。

「撮影は6月から始まっています。静岡県内でコロナ禍では久しぶりとなる大規模ロケも行われて、プロデューサーは“大河らしい迫力が戻ってきた”と大喜び。脚本はヒットメーカーの三谷幸喜さんですし、現場も“コレはイケる!”という手ごたえですよ」(NHK関係者)

 その現場を盛り上げている人物がもうひとり─物語序盤のキーマン・源頼朝を演じる大泉洋だ。何かとお堅い大河の現場でも、ムードメーカーを買って出ているそう。

「座長の小栗さんは、人一倍、お芝居だけでなく撮影環境にもこだわりが強い役者さんですからね。現場に入られると、やっぱりスタッフの間には緊張感が漂うんです。でも、大泉さんと一緒の撮影日は、必ずどこかで笑いが起きる……いや、笑いを起こしてくれるんです。大泉さん、これまでNHKのドラマには、大河が『龍馬伝』『真田丸』の2本、朝ドラの『まれ』『なつぞら』にも出演していて、顔なじみのスタッフも多いですから勝手がわかっているんでしょう」(ドラマ制作会社スタッフ)

 小栗とのコンビネーションもバッチリ。

小栗さんにイジられて大泉さんがキレる……という“お約束”をやってから撮影に入るというのは、もはやルーティン(苦笑)。現場の空気をそうやってほぐしてくれます」(同・スタッフ)

大泉が気にかける“芸人俳優”

 そんな大泉が、ひと際“心配”している俳優がいるという。お笑いトリオ『我が家』のリーダー・坪倉由幸だ。芸人活動の傍ら俳優業も並行し、これまで多数のドラマや映画に出演している。ただ、もちろん大河は初出演だ。

「脚本家の三谷さん直々のオファーだったそうですよ。なんでも坪倉さんの“ちょっと影のあるお調子者”っぽい雰囲気が、外国の喜劇俳優のようで好みなんだそうで。今回は、頼朝の家臣、工藤祐経を演じるんですが、経験の少ない時代劇、それも大河ということでかなり緊張していましたね。周りを見ても大物俳優ばっかりですから。撮影の合間もスタジオの隅っこで所在なさげにしていて(苦笑)」(前出・NHK関係者)

 そこに救いの手を差しのべたのが、誰あろう大泉。

“坪倉君、ごめん! 僕さぁ、このシーンのセリフが全然頭に入らなくてさぁ。ちょっと読み合わせ、付き合ってくれない?”って、ふたりで自主練を始めて。これ、大泉さんの気遣いなんです。大泉さん、絶対にきちんと台本を覚えてきているはずなのに、緊張している坪倉さんを少しでもリラックスさせようと、ね」(同・NHK関係者)

 大泉自身、かつてある撮影現場で“地方の芸人上がり”とバカにされ、悔しい思いをしたことがあったそう。

「だから、自分と同じような立ち位置で役者として頑張っている坪倉さんを気にかけているんじゃないですかね」(同・NHK関係者)

 さすが、鎌倉殿。