金銭に対する態度は、その人への評価と直結する
3年前、小室さんがアメリカに留学してからというもの、「眞子さんと小室さんの結婚に賛成か、反対か」というような調査がなされてきましたが、ナンセンスだと思うのです。女性皇族は国民の許可がなければ結婚できないという法律はないわけですから、国民の意志は関係ありません。
しかし、これらを「庶民の蛮行」と一概に切り捨ててしまうのもやるせない気がします。というのは、2005年に現在の天皇陛下の妹君の紀宮さまが、2014年に高円宮家の二女・典子女王が、2018年には高円宮家の三女・絢子女王が結婚されましたが、その際、国は祝賀ムードに沸いたと記憶しているからです。皇室に対する思いの強さはそれぞれ違っても、国民は皇室を敬愛していると私は信じています。
それでは、なぜ今回の結婚がご難続きだったかというと、小室さんのお母さんが起こした金銭トラブルが無関係とはいえないでしょう。いいか悪いかは別として、オトナの世界では、収入や金銭に対する態度は、その人への評価と直結する部分があります。金銭トラブルは小室さん本人の問題ではないにしても、もし結婚後も「小室家」が皇室と親戚づきあいをするのなら、これは看過できないと思う人もいるでしょう。
これがきっかけで、小室さんには「悪いバイアス」がかかってしまいました。人が生きていくためには、何をするにもお金がかかります。小室さんが留学など新しいことをするたびに「皇室を利用しているのではないか、その費用はどこから出ているのか」とバッシングされるのは、この「悪いバイアス」のためでしょう。
もうひとつ、今回の結婚が物議をかもした原因は、現在の法律が内親王の立場に寄り添ったものではないからではないでしょうか。内親王は離婚はできますが、実家である宮邸には帰れません。離婚したとしても、秋篠宮ご夫妻が経済的にサポートすることは許されていません。夫婦仲が悪くなっても実家に帰れず、親に経済的に助けてもらうこともかなわず、一時金も辞退してしまった。庶民のように「とりあえず結婚して、ダメだったら(実家に)帰ってくる」ことは簡単にできないわけですから、内親王の結婚は万難を排した重い決断にならざるを得ません。
そうなると、自然と「内親王の夫は、内親王を経済的、精神的に守るもの」「内親王の夫は、経済的に安定していなくてはいけない」「内親王の夫は、離婚の要素となりうるような人格的欠陥を持っていてはいけない」という“理想の夫像”ができあがってくるわけで、法律家一年生で駆け出しの小室さんで大丈夫か、と思う人も出てくるでしょう。
しかし、二人の会見はこの“思い込み”を壊したと言えるのではないでしょうか。