現在放送中のドラマ『おしゃ家ソムリエおしゃ子!2』(テレビ東京)で主人公・おしゃ子のボディーガード役を好演中の今井翼。個性派揃いのキャスト陣の中においても、その存在感は健在だ。
2018年に持病のメニエール病が再発し、入院と休業。その後、治療に専念するための「けじめ」として、同年タッキー&翼の解散とジャニーズ事務所からの退所が発表された。
その後、20年からは片岡愛之助主演の歌舞伎舞台への出演など芸能活動を再開し、同年4月より松竹エンタテインメントに所属している。
今井翼の地上波出演のハードル
冒頭の現在放送中ドラマのほかにも横浜 DeNAベイスターズの応援番組『With☆ベイスターズ2021』(TBS系)にMCとして出演するなど、地上波で活躍する姿を目にする機会は少なくない。
「ジャニーズを退所したタレントの、退所後の地上波への出演というハードルの高さがよく知られる中、今井翼さんの活躍はある意味特殊ともいえます」
と、ある芸能ジャーナリストは言う。近年ジャニーズ事務所を去ったタレントを見てみると、元SMAPの「新しい地図」の3人も、今でこそ草なぎ剛がNHK大河ドラマに出演しているが、退所後は地上波への出演はかなり限られたものだった。
また、赤西仁、錦戸亮、渋谷すばる、手越祐也、錦織一清など、退所した元ジャニーズタレントを地上波で見かける機会はまずない。
「子会社扱いの株式会社TOKIOの3人は別として、唯一の例外である中居(正広)くんをのぞくと、やはり地上波の壁はまだまだ高いことを感じます。山Pですら、テレビ出演に関しては、Huluでの配信やWOWOWでの放送といった状況です。そういった事情からも、今井さんはその壁が低かったことがうかがえます」(同前)
では、なぜ今井翼の地上波復帰は早かったのか。それは「愛之助さんの舞台をきっかけとして、松竹系の事務所に所属したことも大きいのではないかという気がします」と、前出のジャーナリストは見る。
「舞台を大きな活動の場とするジャニーズは、所属タレントが出演する舞台を公演する松竹や東宝との絆は非常に深いです。そんな松竹のお膝元にいるということで、ある意味守られ、“身内”に近い距離にいることに成功したのではないでしょうか。また翼くんの場合は、退所の理由が身勝手な不祥事ではなく、病気が理由だったこともあるのかもしれませんね」
翼の復帰にかつての相方・タッキーが動いた可能性を聞いてみると、「それはないと思います」と断言する。
「仲がいい悪いとかではなく、いいパートナーとしての関係が最初から続いていたと思うので、タッキーの力で復帰とか、逆にタッキーが嫌がるとかいったことはないと思います」(同前)
治療に専念するために芸能活動を休止し、万全の体調で戻ってきた翼。表舞台から退いたタッキーとの共演を見ることはできないが、後輩たちと同じ作品で肩を並べる日はそう遠くないかもしれないーー。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉