動物保護団体は「疑問を感じる」
「当選したから手放しますというのは、私もびっくりしました。しかも、飼えないから手放すと言っていたのに、一日も経たないうちに急に飼えるようになったとはどういうことだろうと……」
そう話すのは動物保護団体『PEACE』の東さちこ代表。動物愛護の観点から、このニュースをどう見たのか。
「鎌田さん本人は非常に動物が好きだというアピールをされていたので、動物好きというのはわかったのですが、メリーさんにとってどちらがいいのかを考えた結果なのかなという疑問を感じました。
動物愛護というと、自分が動物を愛しているということが強調されてしまうところがありますが、動物愛護ってそうではないんです。自分がどれだけ好きかということではなく、動物をどれだけ幸せにできるかということが重要。それを思うと、メリーさんを抱っこして選挙活動にまわっている姿も、不安に思いましたね」(以下カッコは、東さん)
鎌田氏は“政治利用”をきっぱり否定しているものの、どういう意図であれ、選挙に動物を使うのを禁止してほしいと東さん。
「そもそも政治家にとって選挙期間中は非常に忙しい時期で、新しく動物を飼い始めるのは、普通では考えられない。(メリーがSNSに初めて登場したのが10月上旬だったのを受け)もしその時期に飼い始めたのなら、やっぱり選挙のために利用したのかな、と思われても仕方ないのかなと思います。
2019年の参院選のとき、れいわ新選組の安冨歩候補が馬を引き連れ、選挙活動を行ったことがありました。あのときも、散々やめてほしいと訴えたのですが……。目立つから、注目を集めるからと選挙に動物を使うのはやめてほしい。動物に負担がかかるので、きちんと規制をしていただきたいです」
今後は、一緒に暮らすと決めた以上、動物の幸せを第一に考えてほしいと言葉を続ける。
「実際にそこで飼われているのか断言はできませんが、SNSでの写真を見る限り、いまメリーさんが置かれている環境は、周りはコンクリートで草を食むようなところなく、小屋も犬小屋のようで十分な高さがありません。
もし里親さんの方が、自然いっぱいのところで環境が整っているのだとしたら、メリーさんにとっては里親さんのもとに行ったほうが幸せという見方もあります。鎌田さんは周りの声に左右されるのではなく、動物にとって何がいいのか、きちんと考えてほしいと思います」
鎌田氏のYouTube『かまちゃんねる』にメリーが初めて登場した10月6日の動画には、メリーを抱え、こう訴える鎌田氏の姿が映し出されていた。
「もし、もしも国会に戻れたら動物愛護法を真っ先にやりたいんです!」
鎌田氏の動物好きに嘘はないのかもしれない。しかし、最後まで飼えないのなら、なぜ飼い始めたのか。なぜ草刈り助っ人のはずが選挙にも連れ出したのかーー。説明を求める声は、今も続いている。