「逮捕された7人の売り上げ総額は約4億7000万円にのぼる。1本あたりの単価が数百円の作品もある中、ダントツに稼いでいたのは山下容疑者だった」

 と前出の記者は話す。

 山下容疑者は、社会的立場をみても出色の存在といえる。

 勤務先の産業技術総合研究所(つくば市=以下、産総研)は、世界最高水準の研究を推進する特定国立研究開発法人。国内最大級の公的研究機関として産業や社会に役立つ技術の創出と実用化に取り組み、事業化につなげる橋渡し機能を持つ。全国11か所の拠点で約2300人の研究者がしのぎを削るエリート中のエリートだ。

 学歴も申し分ない。2008年に東京大学工学系研究科(精密機械工学専攻)を修了、'12年に東大大学院の同専攻を修め、工学博士として卒業した。'13年4月に産総研に採用され、'17年には主任研究員に昇格している。

 仕事ぶりはどうだったのか。

「道路や橋などの大型建造物の劣化診断や、不良箇所の点検を行うインフラ(社会基盤)のモニタリングの研究開発を行っていました。損傷や破損を防ぐ公共安全性向上に資するものです。これまで問題なく業務を遂行しており、特に不審な点は見受けられませんでした」(産総研報道室)

 しかし、想像を絶する裏の顔を持っていた。

下品すぎるハンドルネーム

 自分で創り出した愚劣なキャラクター「孕ませマン」をハンドルネームにやりたい放題。作品中は覆面をかぶり、避妊しない性交渉を謳ってセールスしていた。

山下崇博容疑者は出演女性を集めるためSNSで好条件を提示していた
山下崇博容疑者は出演女性を集めるためSNSで好条件を提示していた
【写真】山下崇博容疑者が撮影時に使用したと思われるグッズ

《「外に出して…」と懇願されるも××に勝手に無許可××!18歳で顔出し孕ませAVデビューで完全に人生終了》(※一部伏せ字にしています)

 などと醜悪な売り込み文句をSNSでつらつら。作品ごとに説明文をつけ、出演女性について「人生終了」と決めつけるパターンだった。