では、片瀬のバランス感覚がどうかというと、いささか心もとない。沢尻が逮捕された当時、彼女は『シューイチ』(日本テレビ系)の司会をしていて、コメントを求められたが、かなりグダグダだった。
沢尻逮捕時にはグダグダなコメント
「もう悲しくて、もうショックで」と語り出し「何も知らなかった」「裏切られた気持ち」と続けたあたりまではよかったが、なぜか「私に怒ってほしかったし」と言ってしまい「怒りたかったし」と言い直したりした。
さらに「仕事もすごく順調だったと思うんですよ」と想像したあと「そのなかでも自分での葛藤はすごくあったので」といきなり断定調になったり。ここは「すごくあったようなので」という言い方でないと、片瀬が葛藤していたように聞こえてしまう。
とまあ、このコメント、沢尻との一心同体的な仲のよさについては伝わってきた。が、視聴者からは「動揺しすぎ」「怪しい」といった声が。たしかに、司会としては事件ともっと距離をとりながら落ち着いて語ったほうがよかったはずだ。
また、いくら仲がよくても、そこを馴れ合いと見せずに毅然として愛のムチをふるう言い方をすることも可能だ。女優ならそれくらいの演技力は持ち合わせていてほしいものである。
それゆえ、今後の芸能活動についても覚束なく思われるのだ。ばかうけを「うまっ」と食べるような姿にはもうお目にかかれないかも。
PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)