このことは、のんと同様に、大手事務所を独立した女優の水原希子(31)にも言える。インスタグラムのフォロワー数は約633万人(22年1月現在)。
日本のインスタグラマーでは渡辺直美、ローラに続く第3位と抜群の発信力を持つ水原は、アメリカ人の父と韓国人の母を持つアメリカ生まれの日本育ち。国籍はアメリカで、英語、韓国語、日本語を話すトライリンガルだ。SDGsの柱のひとつである「多様性」にまさにふさわしい。
発信力の高い水原希子
また、彼女自身もSDGsに早くから関心を示していることもあり、SDGsへの貢献を誓うNHKへの起用が近ごろ続いている。
例えば、ジェンダーレス社会の実現を目指すSDGsの一環として始められた「#生理の話ってしにくい」というNHKのキャンペーンでは、『ハロー! 生理』という特番のMCに起用された。
さらに、地球環境問題の研究者を描いたドラマ(『コズミックフロント 地球科学者の先駆け 猿橋勝子』)でも彼女が主人公役を演じた。
大手事務所を独立してSDGsの考えを若い世代に発信し続けているのんや水原希子は、NHKにとって、自分たちの大事なメッセージを代弁してくれる存在として起用したい女優なのだろう。
その一方で、やはり独立系女優である満島ひかり(36)がNHK『江戸川乱歩短編集シリーズ』などに起用され続けているのは、別の理由が推測される。
自分の考えを自分で表現する満島ひかり
彼女もまた所属していた事務所を独立して個人事務所を立ち上げたが、一時期はマネージャーがおらず、原稿チェックや写真チェックなども自分で行い、出版社の編集者に直接メールを送っていたという。
「本人から直接、メールの返信があったときは驚きました。しかも原稿も写真も細かくチェックしてありました。また、これは取材時の話ですが、こちらが事前に用意していた撮影のコンセプトを彼女から拒否されたのです。
そして、こうしたほうがもっとよくなるからやってみたいと別の提案を受けました。実際にやってみると、彼女のアイデアのほうがしっくりきたのにも驚きました。
若い女性タレントから提案されること自体とても珍しいことですが、作品へのこだわりの強さを感じましたし、自分の意見をしっかり口にできる人だなと思いました」(雑誌編集者)