子どもたちに与える影響
スケートを教える立場としても、羽生の高い人間性には大きな意義を感じているそう。
「普段の態度や服装、言葉遣いを通してフィギュアスケートという競技が周囲からどう見られるのかということを、ちゃんとわきまえていますよね。意識的なのか、きちんとした言動をすることが彼にとって当たり前なのかわかりませんが、まさに一流だと思います。
フィギュアスケート全体のイメージアップにもつながりますし、これからお子さんにスポーツをさせたいお母さんたちも“フィギュアってそういう世界なんだ、だったら子どもを入れても大丈夫だ”と安心感を覚えますしね」(山田さん)
スケート連盟関係者も続ける。
「確かに、羽生選手は結果を重ねるごとに王者としての品格が増していきました。それによって、フィギュアスケートという競技全体もより愛されるようになったので、北京五輪で勝ちたいという思いは、フィギュア界のためでもあるでしょう」
羽生は、五輪王者なだけでなく、人としてもまさに王者なのかも!
折山淑美 ’90年代初頭からフィギュアスケートを取材し、’10年代からは羽生結弦を丹念に追っている。’21年には羽生との共著『羽生結弦 未来をつくる』(集英社)を刊行