近くの会社に勤め、日常的に参拝している人も多かった。願い事をするだけではなく、暮らしのなかに首塚が息づいているのだ。

心のよりどころ、ですかね。ここに来ると仕事がうまくいくような気がしているんです。業務でマネジメントをしておりますが、自分のことだけではなくチームのメンバーの仕事もうまくいくようにお祈りしています。

 それに困っていることがあったら支えてくれているような気がしているんです。お参りするようになって気持ちが変わりました。

 祖父や父からも土地の神様は大事にしてお参りしなさいと言われて育ちました。ここも大切にしていきたいです」(40歳・男性)

怨霊だけど、最強の味方

 いざ訪ねてみようと思ったときに気になるのは参拝の仕方。祈祷師のじぇいじぇいさんに聞いてみると──。

「僧侶の方による碑ではありますがお墓とも、お寺とも神社ともまた違う場所。明確には作法は決まっていません。まずは礼をし、その後で手を合わせ、将門公に思いを馳せ、心の中で語りかけたり、お願い事をするといいでしょう」

 心霊スポットや怖い場所、と言う人もいるが……。

将門公に限らず、失礼なことをすれば怒られるのは当然のことです。心霊スポットなどと言われているようですが、逆に最強の怨霊よりも強い悪霊がここにいられますか? 怨霊と言われているからそうイメージ付けされていますがもともとは義侠心にあふれ情け深いところもある御方のようですよ」(じぇいじぇいさん、以下同)

 実は最強の味方にもなってくれる心強い存在なのだ。

「神様は人々が信仰することでより力をつけていきます。首塚がすごい力を持っているということはそれだけ多くの人々の思いが首塚に集まっているということなのです」

 生前、将門はどんな日本を夢見ていたのだろうか──。

 未来を創る私たちにその思いを託しているからこそ、祈る願いに耳を傾けてくれるのかもしれない。