今になってみればあの苦さは大事な経験
たとえ失敗をしても、やり直せる。そんな経験を尋ねると、
「『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』('17年)で初めて主演をさせていただいたんですけど、右も左もわからず、ただただ精いっぱいで。“私なんて、お芝居をやったらいけない”と本当に落ち込みました。でもそれは経験が浅い状態だったから、当たり前で。
そこからいろんな人のお芝居を見て学び、作品を経験させていただく中で“こういうことはもっとやっていいんだ”とわかってきた。今になってみれば、あの苦さは大事な経験。失敗も、数年後には失敗だと思わなくなるから、そのときの自分に“大丈夫だよ”と言ってあげたいですね」
父は石橋凌、母は原田美枝子。4歳でクラシックバレエを始め、中学卒業後はアメリカ、カナダへバレエ留学。帰国後はコンテンポラリーダンサーとして活動を始め、'15年に女優デビュー。“新米”のころに描いていた女優像と今を聞くと、
「踊りはずっと好きだし、封印せずにやっていきたいこと。でも “新しい世界に入ってみたい”“お芝居の世界を知りたい”と始めたのが女優の仕事。だから両方を自由に行き来したいと考えていました。そんな簡単じゃなかったんですけど(笑)」
しかしながら、現在地としては大きくかけ離れてもいないという。
「昨夏にやった舞台では踊るシーンもあって。最近は少しずつ、踊る感覚を取り戻しています。現段階ではもっとお芝居の経験を積まなきゃいけないと思っていますが、ふたつの柱が徐々に立ってきている感じがすごく楽しいです」
【同世代・有村架純との共演】
佳代役の有村架純(28)との共演について尋ねると、
「ずっと第一線でやっている方だけど、同世代でもあって。作品の真ん中に立つ責任感をちゃんと理解してやっている姿は本当にカッコいいなと思ったし、勉強になりました。そして、その存在がすごく可憐で可愛い方。自然と現場にやる気を与える影響力を目の当たりにできたのは、すごくうれしかったです。“有村さんも頑張ってるから、自分たちも頑張らなきゃ!!”と思わせてくれる存在です」