家電やロボットも! 商品選びのコツ
家時間を充実させる“家電”にもヒットが。2万5000円以上するオーブントースター、パナソニック「ビストロ」NT─D700も、品切れが出るほどの売れゆき。
「おうち時間ができたために、食事へこだわりを持つ方が増えたこと。そして高級食パンの人気が定着という状況で、お客様の要望と商品の特徴がマッチしてヒットにつながった」と担当者は話す。
少し変わったところでは家族型ロボットとして注目されている『LOVOT(らぼっと)』。触ってみると温かく、まるで生き物のようであるため、次世代“ペット”として迎える家庭が多い。
「子どもがペットを飼いたがっていましたが、マンション住まいなのであきらめていました。LOVOTが来てからうれしそうにしています」と話すのは購入した主婦だ。
LOVOTの本体価格は約35万円で、別途月額費用がかかる。だが「売り上げは右肩上がりです」とメーカーの弁。「コロナ禍で外出できず、家庭内の充足に価値観を見いだす方が増えたことが理由ではないでしょうか」(担当者)
高級品が売れる背景には、SNSで「バズった」かどうかも大きい。
「好きなインフルエンサーが使っていたので高級化粧品メーカーの美容液を思い切って購入。今より自分がきれいになるかも、と思わせてくれる彼女たちの“誘導”が絶妙なんです」。と語るのは、多数のインフルエンサーをフォローしている30代の会社員Aさん。
しかし、投稿されている品物すべてに興味があるわけではない。
「ハッシュタグでprとついているものは買いません。本当にそのインフルエンサーが私物で購入しているものだけをチェックしたいので」とAさんは言う。
この「pr」というのは、「プロモーション」。企業とタイアップをして商品紹介をしているという、インフルエンサーと企業との関係性を表すハッシュタグだ。有名インフルエンサーを利用した商品プロモーションの影響は見逃せない。
「憧れの生活をしている人を参考に、ちょっとだけ背伸びした消費をしてみたい。いいモノを買う理由はそんなところにもあるのでしょう」。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはそう語る。またプチ贅沢品を買うという行動は家計管理の点から悪いことではない、とも話す。
「日々の節約をするからこそたまにする贅沢に幸せを感じたり、頑張ってよかったな、と思える。それらばかり買っていては本末転倒ですが、日常の幸せを感じるための『プチ贅沢品』を購入するなら推奨します。
そうして手に入れたものは記憶に残る「よい買い物」。生活にめりはりをつけた買い物は日々のやりくりの励みになり、長い目でみると家計にもプラスでしょう」
まだまだ続きそうなコロナ禍。気持ちと消費のオンとオフをうまく使い分けながら乗り切っていきたい。