フェミを雑な括りで語るな

吉田 石川さんを面白いと思うのが、「こういうこと言うのはよくない」とフェミニスト側の人に怒られたりするようなことに憤っていたんですよね。私は私なのにって。

石川 そうそう! それは本当にありますよね。

吉田 「フェミという雑な括りで語ろうとするな」というシンプルな話ですよね。そこには、いろんな人がいるよっていう。

石川 そもそも私が思うフェミニズムっていうのは、ひとりひとり人間って違いますよね、ということなんです。私をフェミニストの枠に入れても、想像どおりのフェミニストではないでしょうし、私がフェミニズムに合わせているわけでもありません。たまたま自分の考えが、比較的フェミニズムという思想と近いと思うので、今こういう活動をしているけど、もし違ったら、私はフェミニズムに固執することはないと思います。

吉田 道徳の話をしているわけじゃないですよね。不道徳な部分もあるけれど、それとは関係なく権利の話をしているだけなんですよね。

石川 そうなんです。だから、ダメな部分とか、クズみたいな部分も書いておこうと思ったりとかして。読んでもらって、みなさんの日常とフェミニズムをつなげて考えてもらいたいです。

吉田 さっきも言いましたけど、当たり前のことですからね。あまりにもネットには反フェミ的な空気があるけれど、フェミニズムが必要なのは間違いないし、これが当たり前のことだと受け取られるような世の中の方向になっていかないといけない。

石川 自分事として、みんなが考えてくれたらうれしいですね。

構成・文=田中大介/1977年生まれ。映画雑誌編集者などを経て書籍編集者に。演劇ライターとして『えんぶ』『週刊現代』などの雑誌や、演劇DVDのライナーノーツ、プログラムの執筆や編集に携わる。下北沢・本屋B&Bでは舞台にまつわるイベントを多数企画・出演。

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取材協力=本屋B&B