相方「竹内都子」の“見た目イジリ”で心がけていたこととは
ネタとはいえ、昨今は見た目イジリがたびたび物議を醸している。『ピンクの電話』のコントでは、竹内を“デブ”と形容することもあったが、当時はどう思っていたのか?
「今、当時の写真を見ると都子ちゃんってそんなに太っていないんですよね。丸顔で隣にやせている私がいたから、太っているイメージだったのかも。でも私たちも直接的ではなかったです。例えば都子ちゃんが“ハイレグの水着買ったの”と言ったあと、私が羨ましがって“私太っているから、早くハイレグ着て見せて”と言うと、都子ちゃんが“そんなふうに言われたら私、着られないじゃない……”という感じでした」
今の女性芸人は、プロ根性がすごいと絶賛する。
「私たちの時代も“笑われる”ではなく“笑わせる”ことを意識していましたが、今はよりプロ意識が高い方が増えているなと思います。3時のヒロインさんが早朝の生中継番組に出演する直前に起こされて、そのまま現場に向かわされる……というドッキリ番組を見たのですが、時間がないと知るとすっぴんで汗だくになって寝巻きのまま現場に向かって猛ダッシュしていたんです。そして“すいません、遅刻してしまいました”と、汗だくで正直に言っている姿を見て涙が出ました。私なら眉毛だけでも描かせてって言っちゃうかな(笑)」
何歳になっても人は成長できる
現在はそれぞれ、ソロでの活動が中心のピンクの電話。清水は2月19日の舞台NPO法人劇団はーとふるはんどの『母ちゃん、またね!』が控えている。
「以前も出演させていただいた手話劇団の公演なのですが、音が聞こえない中でダンスをしたりお芝居したり、盲導犬と一緒に演技される全盲の女優さんもいらっしゃいます。座長で演歌歌手の山辺ユリコさんはすごく情熱を注いでいらっしゃいます。お芝居は手話の通訳も字幕スーパーも入ります」
舞台の監修を務める石井ふく子氏から学ぶことも。
「今年で95歳になられ、すごい経験値があるのに、今でも稽古に顔を出してくださいます。石井先生を見ていると、年を重ねることが誇らしいと思えるようになりました」
清水自身もさらなる成長を求め、仕事の合間に日本舞踊とシャンソン、フランス語のレッスンを続けている。日本舞踊は地唄舞の山村流愛ふみ派の名取りで、3月13日に大阪国立文楽劇場で長唄の『俄獅子』を披露する。
「以前勉強していた新劇の劇団の演出家に“特技があればそれだけで役をもらえるチャンスが広がる”と言われて以来、いろいろなことに挑戦しています。1人の人間としても楽しみや生きがいを持っていたほうが、豊かな人生になると思うんです。何歳になっても人は成長することができると思うので、“もう年だから……”とやりたいことを諦めるのはもったいないですよね」
最後に、相方の竹内について改めて聞くとこう答えた。「私とは全然タイプが違うから、都子ちゃんの活躍には刺激を受けています。私自身も舞台やお仕事が好きなので、死ぬ直前までお仕事ができたらいいなって思います」