「メッタ刺しにしないと、ダメだなぁぁぁ」
放送中のドラマ『愛しい嘘~優しい闇~』(テレビ朝日系)で、山梨県警の刑事部長役を演じている徳重聡の怪演ぶりが話題を集めている。
「同窓会をきっかけに恋と悲劇が始まる……という本格ラブサスペンスです。徳重さんは黒川智花さん演じる専業主婦の妻を束縛するDV夫役を演じているのですが、'92年放送のドラマ『ずっとあなたが好きだった』で見せた佐野史郎さんの怪演ぶりを彷彿させることから、“令和の冬彦さん”と一部で呼ばれています」(スポーツ紙記者)
'00年に開催された『21世紀の石原裕次郎を探せ!』オーディションでグランプリに輝き、華々しくデビュー。187センチの高身長と端正な顔立ちで、『石原軍団』の若きエースとして活躍してきた。
“裕次郎色”が薄まって役が広がる
「30代までは熱血漢な役どころなどの正統派路線が続いていましたが、'18年に出演したTBS系ドラマ『下町ロケット』で演じた嫌みなエンジニア役で新境地を開拓。最近は悪役も演じられる個性派役者として引っ張りだこです」(テレビ誌編集者)
3年前に週刊女性インタビューに登場した際は、こんな苦悩を明かしていた。
《20、30代は同じような役柄が続いていたので、いろんな演技ができないと役者としてはダメなんじゃないかと悩んでいた時期もあったんです》
彼の転機となったのが、前述の『下町ロケット』と石原プロモーションの解散だ。
「看板俳優の高齢化もあり、昨年1月に石原プロは解散。徳重さんはドラマで共演する波瑠さんと同じ事務所に移籍しましたが、石原プロを離れたことで裕次郎さん色が薄まって、幅が広がった印象です。昨年出演したドラマ『ドクターX』でも小泉進次郎さんを思わせる我の強い政治家役で存在感を出していました」(前出・スポーツ紙記者)
ドラマ事情に詳しいコラムニストの吉田潮さんも、事務所移籍が役者としてプラスに働いたと分析する。
「徳重さんのような熱血漢の似合うタイプは2時間ドラマで重宝されていましたが、最近は2時間ドラマが激減。それにより、40代以上のバイプレーヤーが余っていてパイを奪い合っている状態です。そんな中、事務所を移籍し、悪役で活路を見いだせたのはラッキーだったのでは」
また、徳重の高身長も悪役がハマる理由だと指摘する。
「松重豊さんや嶋田久作さんも今でこそ善人役も演じますが、高身長と薄気味悪さを出せる顔立ちで、悪役で注目を集めてブレイク。徳重さんも高身長で威圧感があるからか、今回のドラマでも出てきた瞬間に、DVをしそうな男性だなと思いました(笑)。その彫りの深い顔立ちはホラー作品もハマりそうです」
脱・裕次郎さんで、本格ブレイクも近い!?