腐った生首の義経が頼朝を見つめて

 53歳で亡くなったといわれている源頼朝。これほど歴史的に有名な人物であるにもかかわらず、その死因ははっきりとしない。

「落馬」により死んだ説が最もポピュラーだが、『保暦間記』や『北条九代記』によると、《源義経や安徳天皇らの亡霊を見て気を失い病に倒れた》とされている。

「頼朝は弟である義経のことを疎ましく思っていたとされています。理由は諸説あるのですが、義経が自分に断りなく朝廷から任官を受けたことに激怒したというのが有名。

 もっとも母親違いの弟のことを生まれたときから好きではなかったという話もありますから、ウマが合わなかったのでしょう。

 義経は兄を慕いながらも受け入れてもらえず、最終的には妻子とともに自害するという悲しい結末を迎えます。この義経の霊にとりつかれていたという説が本当ならば、やはり義経の死に罪悪感があったのでしょうね。

 頼朝の前に現れた義経の亡霊は腐った生首状態でただじっと兄の顔を見据えていたといいます。さすがの頼朝も恐れおののいて正気を保てなくなったと伝記に残されています」(歴史研究家)

 大泉洋演じる頼朝と菅田将暉演じる義経兄弟はどのような結末を迎えるのだろうか。

鎌倉にある源頼朝の墓。平日でも観光客が絶え間なく訪れている
鎌倉にある源頼朝の墓。平日でも観光客が絶え間なく訪れている
【写真】カメラマンが最も怖いと言った「腹切りやぐら」

北条一族終焉の地『腹切りやぐら』

 1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府から約150年。1333年、新田義貞の鎌倉攻めに敗北した北条一族は東勝寺に火を放ち、約870人が自害したといわれている。

 その跡地にある北条高時の『腹切りやぐら』で、高時はその首をあげられないよう自分の鼻を自ら削いでから自害したという。今でも怨念が漂うこの場所。

霊処浄域につき参拝以外立ち入り禁止」の立て札があり、空気が重い。遊び半分で行って霊障にあう人が後を絶たないこの場所。訪れるときは注意が必要だ。

 2月某日、この場所を訪れた瞬間カメラのバッテリーが切れるなどに見舞われた。これ以上足を踏み入れてはいけないと言われている気がしてそっと引き返した……。

カメラマンが最も怖いと言ったのがこの「腹切りやぐら」
カメラマンが最も怖いと言ったのがこの「腹切りやぐら」