作家で歴史エッセイストの堀江宏樹さんは「大竹しのぶ(64)に演じてほしい」と話す。
「瀬戸内さんが出家したのは51歳のとき。自分の女としての“業の深さ”に疲れ果て、創作に専念するために“女”の部分に死んでもらおうと、出家しました。大竹さんなら、成熟した女性の苦悩を濃厚な演技で表現できるはず。何より、出家したときの丸刈り姿も見たいですよね」
燃える女優魂を持つ大竹しのぶなら、本当に剃髪して臨みそうだ。
そして同じく、文筆家の故・向田邦子さんの一生もドラマチック。『時間ですよ』(TBS系)などのホームドラマをはじめ、さまざまな人間模様を脚本に描いたが、51歳で航空機事故により急逝した。
「向田さんの魅力は“愛の悲しみ”にあります。彼女のエッセイには愛人男性が自分の家から去ったあと、彼がいなくなった空間で、彼が切った爪を拾い集めたり、場合によっては食べてしまったりという記述がある。そんな異様なシーンを演じられるのは、明るく振る舞っていてもうつむいたときの顔に色っぽさがある人です。美人としても知られていたので、宮沢りえさんが適役ではないでしょうか」(堀江さん)
カメレオン俳優・山田孝之に期待
「多くの人の記憶に残っている有名人を演じる場合は、視聴者の要求も高まります。そうなると、演技経験が浅い若手のイケメン俳優では、プレッシャーが大きいのも事実です」
そう話すのは、斎藤工(40)や城田優(36)など、数多くのイケメン枠俳優を早い段階から見いだしてきたイケメン評論家の沖直実さん。
「例えば、世間を騒がせたことでも知られる俳優の故・勝新太郎さんを演じるとなれば、線が細い今どきのイケメンでは厳しい。もちろん、若手の中にはパワーを持った人もいます。眼力と狂気的な演技で織田信長を怪演した染谷将太くん(29)なら、若いころの勝新も演じきれるはず。もしくは、破滅型の人生が重なる市川海老蔵さん(44)もいいのでは。勝新の兄である故・若山富三郎さんは、どんな役もこなす実力派の山田孝之さん(38)がいいですね」
そして勝新の伴侶・中村玉緒(82)役には近年バイプレーヤーとして活躍する、岸井ゆきの(30)を指名した。週刊女性が行ったアンケートでは「おっとりした演技が玉緒さんに重なる黒木華(31)」(30代・女性)「伊藤沙莉(27)なら表情豊かに演じてくれそう」(30代・男性)などの声も寄せられた。