そして、前出の堀江さん、沖さんの両名から「昭和の有名人のドラマ化には、お笑い芸人を起用してほしい」という意見が挙がっている。
「大河ドラマで吉沢亮くん(28)が演じていた渋沢栄一は、明治・大正がメインの偉人ですが、錦鯉のツッコミ・渡辺隆さん(43)が、本人にソックリでありかなと思いました(笑)。特に渋沢のように写真が多く残っている偉人は、ふとした瞬間に本物の顔が浮かんで『いやいや、吉沢亮さんは美しすぎるかも!』と思ってしまうんですよね。その点、お笑い芸人さんは親近感がありつつ、華もあるので、実物のイメージに近い印象があります」(沖さん)
芸達者な阿佐谷姉妹にピッタリな役
一方の堀江さんは、女性芸人・阿佐ヶ谷姉妹のふたりに演じてほしい役があるとか。
「以前、姉の江里子さん(49)がちあきなおみ(74)がカバーしていた『朝日のあたる家』をコントで歌っているのを拝見しました。ネタでも高い歌唱力を披露しているので、“本当に歌える人”が演じるちあきなおみが見てみたいです。
また、妹の美穂さん(48)もとても魅力的。過去にファッション誌の表紙を飾ったお写真を拝見したのですが、とてもお美しかった。美穂さんには、自分の中の愛に生きた故・テレサ・テンさんがピッタリだと思います。彼女の歌唱力と演技力で、“女の情念”を体当たりで演じてほしい!」(堀江さん)
昭和の歌姫は、阿佐ヶ谷姉妹に決まり!?
視聴者が本当に見たい作品は、ドラマのテーマになった人物に対する“リスペクト”が感じられる作品だ。話題性だけが先行しているキャスティングには、萎えてしまうのが視聴者心。登場人物、演者、視聴者……全方面に愛がある良作を作ってほしい!
堀江宏樹(ほりえ・ひろき) 作家・歴史エッセイスト。日本、世界、古代、近代を問わず、歴史の持つ面白さを現代的な視点、軽妙な筆致で取り上げている。著書多数。最新刊は『偉人の年収』(イースト・プレス)
沖直実(おき・なおみ) イケメン評論家。ラジオパーソナリティーをしながら、2004年から「沖直実のいい男祭り」を開催。斎藤工、城田優や瀬戸康史などにいち早くイベント出演依頼をしたことでも知られている
取材・文/大貫未来(清談社)