絶対にスベると思ってたのに…

「寺脇さんは舞台を何度も拝見させていただいたり、楽屋でご挨拶させていただいていましたので、とても楽しみですし、比嘉さんは今回ただひとりの女性ですので、肩身の狭い思いをさせたくはないなと。佐藤さんはこの中でいちばんお若いんですよね。劇団EXILE、僕も入れてもらいたいです(笑)。崎山さんは、2・5次元でずっと活躍されていらして。2・5次元の舞台は僕もちょくちょく拝見します。漫画原作を歌舞伎にすることもあって、2・5次元はいろいろな技術を用いて新作を作られているので、ヒントをいただいていたりします。その中でも、崎山さんはとても表現力のある方だなと思っていましたので、ご一緒できることがうれしいですね」

 そして、念願の初タッグを組む鈴木おさむについては「とにかく面白い方」と語る。

「もはや何の職業がメインかわからない(笑)。放送作家なのか、プロデューサーなのか、演出家なのか、タレントなのか、大島美幸さんの旦那さんなのか。多才すぎですよね。常に楽しいことを探り出そうと、いろいろなところに目を向けていらっしゃるところを尊敬してます」

 バラエティー番組などで楽しいトークを聞かせてくれる松也だが、実は「普段は人見知り」なのだとか。

「知らない方としゃべるのは得意ではないと言うと、みなさん“また〜”って言われるんですが、本当なんです。友達と話しているときに知らない方が来たら、会話しなくなってしまう。ですのでバラエティー番組で、面白いな、素晴らしいなと思う方はたくさんいらっしゃるのですが、“もしよかったら今度飲みに行きませんか”なんて、絶対に言えないんです」

 世間と自身とのズレについては、こんなことも。

「僕がバズったと言われているものって、僕自身は何ひとつ面白いことをしていると思ったものではなくて。最たるものが、どぶろっくさんと“大きなイチモツ”を歌わせていただいたとき。友達から“おい、バズってるぞ”と言われて動画がたくさん送られてきたのですが、僕は、もともとはイチモツ反対派だったんです(笑)。いろいろな方がなさっているから絶対スベるよと思って。でも番組の方もすすめるし“じゃあ、やるなら一生懸命やらせていただきます!”と、やったんですけど。まさかあんなにバズるとは。わかんないものですねえ」

 最後に舞台への熱い思いを。

「やはり僕の根本は舞台人ですので、お客さまの前で何かを披露することにいちばん幸福感を得ます。また演劇は、今よりさらに苦労が多い時代を生きた、全世界の先輩・先祖たちが歴史を紡いできてくださったおかげで、現在がある。進んだテクノロジーのおかげで実際に見に行かなくても見たような気分になれるツールもあって、そういう見せ方も試みていかないといけないのですが、そこだけになると生の舞台ではなくてもいいかとなってしまうような気がします。ですので演劇は残していくべき文化、やり続けるべきだと思っています」

“怖い”と思うものは?
「何だろう? 霊感があるほうではないので、幽霊も別に怖くないですし……。あ! 週刊誌(笑)。前に、1人でNIKEショップに全身NIKEで行ったときの写真が載っていたんです。たまたま見つけちゃったということだと思うのですが、神出鬼没感が、こわっ!て思いました(笑)」

家に飾りたい絵は?
「“休みになったら美術館に行きます”とか、そういうことは全然ないのですが(笑)。部屋を明るくしてくれるような絵が好きかなという気がしてます。村上隆さんのような明るさは好きですね。『怖い絵』に登場する作品は、背景を探るという見方がとても面白くて興味深いんですが、自分の部屋に飾るのはちょっと……(笑)」

 

舞台『怖い絵』
■3月4日(金)〜3月21日(月・祝)東京・よみうり大手町ホール
■3月24日(木)〜3月27日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール