復刻販売が話題に
そんな板ガム、昨今のレトロブームを受け、2020年11月に『ジューシー&フレッシュガム』(1970年発売)、『クイッククエンチ-Cガム』(1978年発売)を期間限定で復刻販売したところ、大きな反響があった。
「芸人さんがラジオで話題にしてくださったりもして、SNSでも多くの方に注目していただいて、すごく嬉しかったですね」
『コーヒー』『スウィーティ』『アセロラ』など、思わず“あった、あった!”と言いたくなる思い出のフレーバーばかりだが、中にはこんな“幻”のフレーバーも。
「2002年には期間限定で発売された『花の蜜』という一風、変わったガムがありました。小さい頃、多くの人が公園でツツジなどの花の蜜を吸う経験をしたことがあると思うのですが、あの“花の蜜の味”を再現したものになります。私も研究所で似たような味のものを食べたことがあるんですが、まさにその通りでした(笑)」
まさか、そんな味があったとは……!
一昨年の復刻も大反響、レトロブームも追い風となり、ネットでも懐かしむ声は多いが、今後も「板ガム」の懐かしのフレーバーが復刻することはありえる?
「多くの方に再販の要望をいただければ、我々も常々お客様の声は情報としてインプットしておりますので、復刻は全然ありえると思います!」
私たちにさまざまな思い出を残してくれた「板ガム」。一部の人にとっては懐かしい商品であり、若い世代にとっては新しい商品になるかもしれない。またさまざまなフレーバーが、店頭に並ぶことを期待したい。
【こぼれ話1】
『クールミント』にペンギンが描かれているワケ
「1956年、南極観測隊から依頼を受け、栄養素をプラスしたガムを提供したことがありました。というのも、ガムは賞味期限がなく、日持ちするんです。その後、1960年に『クールミントガム』が誕生したのですが、そこにはペンギンが描かれています。それまで、ロッテのガムは甘く、もっと辛いものがほしいというお客様の声から生まれた商品ですが、1956年に南極観測隊との縁があったので、そこから着想を経て、『クールミントガム』のデザインは南極風になりました。実は、発売当初はクジラも描かれていたんですよ(笑)」
【こぼれ話2】
50年以上前のガムを発見!
そのクールミントの裏話には続きが…。
「昨年、南極で発売当初となる1960年頃の『クールミントガム』が、発見されました。観測隊の方が、コカ・コーラなどと一緒に氷の中から見つけて。日本に持ち帰っていただいたんです。紙なので見た目はボロボロではあったのですが、ちゃんとガムとわかる状態でした。
我々にとっては、南極観測隊から着想を得た商品が、南極観測隊の方を通して再び私たちの手元に戻ってくるという出来事に、ロマンを感じました」
【こぼれ話3】
ガムには賞味期限がありません!
「特定保健食品とか、機能性表示食品とか、機能を訴求しているようなものに関しては賞味期限がついているのですが、『グリーンガム』や『クールミント』など、ガムには基本的には賞味期限はついていません。ガムってすごく水分が少ないので日持ちするんです。ちなみに弊社の商品には、アイスも賞味期限がついていないんですよ」