'14年から『奇跡の人』の演出を担当する森新太郎氏は、舞台での高畑を絶賛する。

「彼女はヘレン・ケラーと家庭教師のアニー・サリヴァンの両方演じていますが、自分で解釈をして表現ができるタイプ。“大竹しのぶ以来の新しいアニー像を見た”と関係者が驚いたほど。アニーが不幸な過去を語るシーンでは、稽古のときから毎回、涙を流していましたね」

女優・高畑充希のスゴさ

 '16年に楳図かずお原作の舞台『わたしは真悟』で演出協力した白井晃氏も、こう語る。

「映像の高畑さんは“ピュア”というイメージですが、舞台ではとてもパワフル。舞台に大切な身体能力も高く、気持ちのうえでもエネルギッシュな方。常に全力で、稽古のときからフルパワーでやってくれていた印象です」

 '17年に主演したギリシャ悲劇『エレクトラ』の演出を担当した鵜山仁さんは、

高畑充希が主演する舞台『奇跡の人』は5月より公演開始。ヘレン役は舞台初挑戦の平祐奈(公式HPより)
高畑充希が主演する舞台『奇跡の人』は5月より公演開始。ヘレン役は舞台初挑戦の平祐奈(公式HPより)
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「エレクトラは父親を殺した自分の母親を、弟と一緒になって惨殺するという、恐ろしいキャラクターなのですが、高畑さんは“隣のお姉ちゃん役”みたいな感覚でやれてしまうのがすごい。お隣さんの身近さも、エレクトラのとんでもなさも、シレっと演じてしまうんです」

 演劇評論家の河野孝さんも、今後の高畑に期待する。

「“舞台に命をかけている”という意気込みは、見ていても感じます。雰囲気や目線、たたずまいが締まっているというか。役についても研究熱心。3年たって2度目のアニー役をどんな形で見せてくれるか楽しみですね」

 こうした絶賛される才能があれば、どんな“ムチャブリ”でも、素晴らしい作品にしてくれそうだ。