今年16周年を迎えるツイッターの歴史において、SNSの動向を長年分析してきた長谷川さんの印象に残っている“深イイ話つぶやき”はどのようなものだろうか。
「たくさんありますが、3年間お弁当を作り続けてくれたお父さんに対して、娘が感謝の気持ちを伝えたつぶやきは、すごくいい話だなと思ったのをよく覚えています。お父さんへの感謝のメッセージと、お弁当の写真が一緒に投稿されたものですが、目にした人の感動を呼び、映画化もされたほどの人気のツイートです。
ほかにも、60人分のケーキが突然キャンセルされてしまったと嘆くお店のツイートが最近拡散されていました。応援のために購入する人が続出し、無事に完売したという顛末でしたが、ツイッターの持つ力がいい方向に発揮された事例として、印象深いツイートです」
ギスギス社会に光を与えるつぶやき
親子間の愛情あふれるエピソードを共有できたり、応援したい気持ちがツイッターを通じてお店を助けたり……。相次ぐ炎上案件や飛び交う誹謗中傷がツイッターの影の側面だとすれば、こういった“深イイ話”は社会に光を与えるもう一方の側面だ。
「少し前にも、バスの運転手さんが、子連れのお母さんに機転を利かせた“神対応”をしたというエピソードがバズっていました。やっぱりこういったイイ話に触れると、それを読んだ人も“人にやさしくしよう”という気持ちが高まると思います。そういうものが次々と広まり、善意の好循環みたいなものが起こりやすくなれば、もっといい社会になるかもしれませんね」
ほっこり温かいツイートがあふれ、未来が少しでも明るくなることを願ってやまない。